ちゃぶ台、わん、皿・鉢、重箱、竈、囲炉裏、水屋・茶箪笥、鰹節削り、蒸篭、おろし具、炬燵、湯たんぽ、'燭、行燈、ランプ、箪笥・長持、蚊帳、など、確かにちょっと前までどこの家でもあった道具が今や懐かしい思い出の中にしか存在しなくなりました。もっとも戦災で焼けていないお家や田舎にはまだまだ顕在なのかもしれません。
そんな道具の数々を見事なイラストと解説で紹介している本で、当時を知らない人も実感できるようになっています。この頃の生活って今からみればとても懐かしい匂いが漂ってきます。
中林 啓治氏によるイラストが雰囲気をだしています。本文の解説は、岩井 宏實氏で、帝塚山大学長、大分県立歴史博物館長を歴任された方です。
本書には、そんなちょっと昔の時代に営まれた庶民の生活に関するモノの数々が掲載してありました。84ページの達磨ストーブも懐かしい道具の一つです。木造校舎と冬の達磨ストーブと石炭の匂い、小学校時代の思い出と直結しました。
本書の全般を読みとおし、眺めて感じたことは、いわば、昭和の時代というものを再現しているようでした。綴じ込みの広島市内の商家の台所は明治時代の情景を復元したものでしたが、昭和の時代を通して見られたものだと書かれています。
時は流れて平成の時代へと移り変わり、庶民の生活も格段に良くなりました。「なつかしい」という思いと同時に足元を見つめなおす機会を得たようです。