この絵本の魅力を、一つだけ挙げろと言われたなら、
ズバリ、自己肯定感!ですね。
つまり、「ありのままの自分で、あなたは大丈夫」という、
人が人として生きてゆくうえで、いちばん基本的なメッセージのことです。
この絵本は、深い自己受容の感覚を養ってくれます。
ある児童文学の専門家から聴いたエピソードですが、
公開の読み聴かせなどで、
この絵本に敏感に反応するのは、
実は、一見しっかり者に見える大人の女性や、受験生だったりするそうです。
冒頭の「みんな ちびちびが だいすきでした。」
このセリフを聴いただけで、涙するそうです。
「誰からも、そう言われた記憶がない」
「ちびちびみたいに可愛がられた経験がない」と、
人目も憚らず、オイオイ泣き出してしまう人もいると言うのです。
登場する動物によって、めくるページの色調が微妙に異なるのですが、
まるで、ちびちびに寄せるそれぞれの愛情の色模様のようです。
親が子どもに読み聴かせする行為は、本当は、自分を癒すため、
とは心理学でよく言われることですが、
「幸福な子ども時代を取り戻すのに、遅すぎることはない」と言うのも、
また、本当なのです。
わが家の息子が年少さん時代、子育てに疲れるたびに、この絵本に還る、
「迷ったら基本に還る」を実践していた日日が懐かしいです。