Vol.3を観た感想は、「新しい自分」です。人間誰しも自分の限界を感じることや、後悔の念を抱くことは多々ありますが、この巻では誰にでも経験のある「禁断の部分」を容赦なくえぐってきます。大抵の人は逃げたり、折り合いをつけたりするものですが、すべての現実を受け入れた上で、自分は一体何ができるのか?そこに何を求めるのか?が問い続けられます。
その答えは、この作者だからこそ紡ぎ出せたと思われる一つのセリフに集約されます。
そのセリフを発する「太一」を演じる宮野真守さんの演技は、抑え難い激情とクレバーな頭脳の相克に揺れる危うい青年の魅力を存分に引き出しています。運命に逆らうヒーロー(ヒロイン?)は本当にハマリ役だと思います(笑)
総じて人は挫折や過ちを繰り返すものであり、それでも人の心を前に動かす言葉というのは、血を吐くような経験に裏打ちされた先人たちがもつ真実にあるのかも知れません。この巻では苦悩する青年たちの姿はコミカルに希望をもって描かれています。
原作では1ページで終了する肉まんくんのエピソードも、良い改変だと思いました。高校からの再出発に関して、作品ではあまり詳細に描かれていない中学生時代(ちはやは陸上部とカルタ会、太一はサッカー部とカルタ同好会、肉まんくんはテニス部。しかしカルタ経験は一番古い)とすることで、その後の飛躍的な成長に対して整合性がとれたように思われます。
桜が咲くこの時期に新しい挑戦や出発を試みたい方にお勧めいたします。