収録作品は以下の10編。
ちっちゃなかみさん(昭和40年)
邪魔っけ(昭和39年)
お比佐とよめさん(昭和40年)
親なし子なし(昭和44年)
なんでも八文(昭和46年)
かみなり(昭和41年)
猩々乱(昭和36年)
遺り櫛(昭和35年)
赤絵獅子(昭和37年)
女ぶり(昭和44年)
前半5編は江戸下町の人情もの、後半5編は芸事もので構成しています。前半の5編はどれも情感溢れる掌編で思わずホロリと泣かされると思います。タイトルとなった「ちっちゃなかみさん」もよいですが、「親なし子なし」に感じ入りました。後半の5編は著者初期によく取り上げられた芸人・職人の話で、一転して緻密で締まった文体で語られます。特に「猩々乱」は男性的な作風でとても若い女性が書いたとは思えない出来で驚きます。全10編は30〜50ページの短編ながらストーリーの仕立てが巧くしかも読みやすい作品集です。