「おはなのかたちのちいさなボタン」のプッチは、ボタンやさんからもらわれて、「まあるいほっぺのおんなのこ」エリちゃんのスカートの、ウェストのボタンとなり、毎日楽しくくらしていましたが……。
とても平明でリズミカルな文章は読み聞かせに最適! それは声優やラジオパーソナリティーという仕事柄、作者のあさのさんが、言葉の響きの大切さをよく知っているからでしょうか。お母さん、エリちゃん、プッチと、大きな存在が小さいものを守りいつくしむという、とても大切なことが、テンポよく語られていきます。
女の子にとって(元女の子にとっても!)、小さな宝石のようなボタン、というものに命を吹きこんだ点がセンス抜群で、エンディングにもうれしい驚きがあります。
そして、荒井良二さんの絵がまたすばらしい! エリちゃんとプッチの、言葉にならないうれしさや楽しい気分が、お得意のピンクや黄色、黄緑で表わされ、さらにはアクセント的にぴりりと効いている黒が、これからどうなるのだろうと、わくわくドキドキさせてくれます。
それによーく目を凝らせば、荒井さんのコレクションらしいボタンの写真やレースのコラージュまで…… 。 こういう小さな飾りは、まさしく女の子の心のかけらそのもの。
なぜか小さな女の子の心を知っている荒井さんのアート感覚と、あさのさんの愛らしい物語が、絶妙のハーモニーをかなでています。
男の子には『ぼくんちに、マツイヒデキ!?』もおおすめ。これからの、あさのさんの活躍を期待したくなる一冊です。