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特に有名どころ?というようなものでもないのかもしれぬ、全国のあちこちの様々なところでのエピソードが、俵さんの素直な筆と、それから、写真家の平地勲さんの写真との素晴らしいコンビネーションで語られ、そして合間には、俵さん自身が撮影された、小さなフォトコーナーもあり、平地さんの写真とはまた違う視点で、そのトコロの空気感を伝えてくれています。
(表紙のカ!バーも抜群に素敵なブルーの風景の写真で、それにまず目を奪われました。平地勲さんは、ヌードの巨匠だそうで、後で知った私はビックリ...)
それらは、観光ガイドブックでは目につかないようなトコロやモノたちなのですが、どこもどれも、『口コミ』で聞いた、かくれなんとか...という感じで、自分がそのあたりを訪れる時には、絶対行ってみたい!と思わされました。
疲れてどこかふらっと行ってみたい気分だけれど行けない...ような時でも、この文庫を読みすすめていくと、俵さんと平地さんの感性が、読み手の気持ちをも磨いてくれるような気がします。
ところで、京都で有名な『よーじや』さんのあぶらとり紙の、トレードマークにもなっているあのイラスト、一体どなたがどのような経緯で描かれたのか、御存知でしたか??私は、この本を読んで、初めて知りました!
... というような、へぇ~...というエピソードもあります。その人に思いをはせて、俵さんが詠んだ歌は___なんだかじんときてしまいました。
本書は15の旅と49の各3ページの紀行文、万智さんの短歌、それぞれの旅のきめの細かい写真が掲載された文庫本です。写真も本当に美しいです。旅にはここ最近、遠のいている自分にはその渇望ゆえか「ちいさな旅」は優しい刺激を受け、写真、紀行文からその地へ思いを巡らすことが出来た。
万智さんの紀行文で素敵だ、楽しいと感じたところは彼女が出会われたその地に生きる人と話された中での彼らの言葉が記されている箇所がまたよかった。群馬の骨董屋さんのセンスを紹介されている場面、写真も印象的で、北海道の然別湖の!「氷のバー」も憧れる。旅は視覚に受ける刺激を楽しむだけでなく、聴覚、味覚も楽しみ、また人と出会い、自分とは異なる文化に接し想像する楽しさも捨てがたいと感じ入ってしまう、贅沢な奥行きの深い本書でした。
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