ピンクのばら色をしたちいさいおうちは丘の上に建っている。りんごの花がつぼみをつけることで春の訪れを知り、初雪が舞うことで冬の到来を感じていた。だが、町の明かりが遠くに見えはじめたのをきっかけに、ちいさいおうちの周辺もどんどんと変わっていく。まず道ができ、そこに自動車やトラックが走りだし、整備されて道路となった。やがて道路はあちこちに延び、背の高い家やアパート、お店、車庫なども次々と完成、ちいさいおうちを取り囲んでいく。
とうとう住んでいた人たちも引っ越してしまい、ちいさいおうちは町の真ん中でひとりぼっち。人工的な町の照明は明るすぎて、もはや太陽も月もわからない。ちいさいおうちは思う。「月あかりの中、かがやく白いヒナゲシのお花畑やりんごの木々がもう1度見たい」と。
ぽつんと取り残され、町の中で窮屈そうにしている古ぼけたちいさいおうち。その姿に子どもたちは胸を痛めることだろう。だが、女の人が現れて、ちいさいおうちを田舎に移してやり、そこで幸せに暮らすという結末にほっとするに違いない。低年齢の読者は、あらすじや挿絵を追うのに夢中かもしれない。だが、本書は都市化の弊害をさりげなく子どもに伝えた、忘れられない作品である。 --このテキストは、 ペーパーバック 版に関連付けられています。
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26 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
時代の移り変わり,
By カスタマー
レビュー対象商品: Little House (Sandpiper Books) (ハードカバー)
この話はシンプルに構成されていますが、内容はとても奥が深く、大人が読んでも考えさせられます。雑踏の中、便利な都会で暮らすのがよいのか、不便ながら四季を感じられる田舎がよいのか。これは誰もが一度は考えたことのあるテーマではないでしょうか。イラストレーションはほのぼのとしていて、温かい気持ちにさせてくれるだけでなく、文章と供にストレートに心に届きます。 1942年に書かれたとは思えないぐらい、いまでも新鮮な絵本です。
16 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
色使いの美しさに注目,
By
レビュー対象商品: ちいさいおうち (大型絵本 (3)) (大型本)
この絵本の真の(裏の)テーマは「都市化の弊害」だというが、原著の刊行年(1943年)を知って驚く。テーマの重要性は今と全く変わっていないからだ。だが、私はこの作品の「真のテーマ」にはさして興味がない。なぜならこの本はそれ以上に絵本としての美しさが際立っているからだ。とりわけ、バージニア・リー・バートンの絵師としての素晴らしさに注目したい。「おうち」の建つ芝生の色使いの美しさ。はるからなつに変わるときの鮮やかな色彩の変化だった、子供時代の私をこの絵本の虜にしたのは。この絵本はサイズの違うものが二種類出ているが、決してケチって安いほうを買ってはいけない。大型版を買って、バートンの絵をじっくり「読んで」ほしい。
15 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ぼろぼろになるまで繰り返し読んだ名作,
By
レビュー対象商品: ちいさいおうち (大型絵本 (3)) (大型本)
幼い頃大好きだった絵本です。ちいさなおうちのまわりがどんどん開発されるくだりではドキドキはらはらし、最後に幸せになるくだりではほっとして嬉しくなったり。 挿絵もとても可愛らしく、飾っておくだけでも絵になりますが、読んであげれば子供のお気に入りになる事間違いなし!の名作絵本です。
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