私は、連続テレビ小説「だんだん」を終盤からしか見ていなかったため、後に放送された「総集編」を見てむしろ完全版がほしくなり、ようやくDVD-BOX1、2、3を買いそろえることができた。
「だんだん」見て良かった点は
(1)出雲ことばや京ことばを強調することにより、あらためて日本語の美しさが味わえたこと。実際、ドラマの中で親のことを「パパ」「ママ」と呼ぶ登場人物はひとりもいなかった。
(2)ドラマは節度を持って進行した。ドタバタは必要最小限にとどめられ、おちゃらけは皆無であった。これは、マナカナを取り囲む演技陣が、藤村志保さんをはじめ一流の人たちばかりを集めることができたのが大きい。
(3)BGMや効果音も最小限の音で最大限の効果を上げる優れたものであった。緊迫した場面でヘリコプターを飛ばすごとき演出をする勘違いスタッフがいなかったのは、ありがたかった。
ということで、話の進行は盛り沢山・拙速であろうが、落ち着いて鑑賞できたのである。
私個人は「のぞみさんフリーク」になってしまったが、お家元直々のご指導をいただいたとはいえ、いろいろな「黒髪」(未熟版、焦燥版、落涙版、硬直中断版、ようやく完成版)を演じ分けた佳奈さんの力量には感心した。
あと、DVD-BOX3についての感想としては、
(1)総集編で割愛されたことからもわかるとおり、初枝さんの癌発病は結果的に不必要なエピソードであり、バランスを欠いた感あり。その分他のエピソードを充実して欲しかった。たとえば
・勝手に解散宣言しためぐみを許せるようになるまでの、のぞみのこころの葛藤
・のぞみの舞をみて感動し精進を誓った花香が、結局舞妓を断念せざるを得なくなった経緯。
・松江の健太郎と名古屋の美香が愛を育み結ばれるまでの経緯。
「サプライド社長」や「馬の足さん」が最終週で救われており、なおさらであった。
(2)総集編になかったことでは、田中節が舞妓になるまでの苦闘、のぞみが芸妓をあきらめ花むらの女将になる決心をする苦悩及びプロポーズシーンが描かれている。
(3)進行上、のぞみと康太がふたりきりになるシーンが多いが、特に祇園鴨東でのシーンはのぞみ、つまり佳奈さんを最高の美しさでとらえている。あらためてスタッフの佳奈さんへの愛情と同時に「プロ(カメラ、照明、メイク、編集等)の凄さ」を思い知らされる。
(4)スイートジュノの「渚のシンドバッド」のビデオクリップが納められている。但し、映像の肌理は荒い。
(5)かしまし娘の2人、明石家さんまの師匠、人間国宝、と考えられないほどの豪華なゲスト陣が花を添えている。
ということで、佳奈さんのファン(とは限らないが)には予算が許す限り総集編より完全版をお勧めしたい。
蛇足であるが、「企画:舞妓姿でポップス」はどうにも納得がいかない。祇園花むらの惨状を見かねた雅堂社長の裏工作か。