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出口の見えない構造的な出版不況の中、独自の経営感覚で活躍している全国各地の書店主の方たちの生の声に接することができたのは大きな収穫です。「こういう本屋が各地に残っているのなら、いつかその店を訪れてみたい」という気にさせられます。
「図書館」「書評」と章が進んでくると、筆者の歯切れが悪くなってくるのが気になります。関係者の取材はともかく、筆者自身の主張が明確に伝わってこないのです。 筆者自身がいわば利害関係者の一人であることが、問題の全体像の把握を困難にしているのでしょうか。
欲を言えば、この本で取り上げられなかったジャンルの本、たとえば理工系の学術書や専門書などが直面している状況にも切りこんで欲しかったと思います。
秒進分歩の技術を取り扱う専門書と同様に、この本の「賞味期限」はあと2,3年というところでしょうか。この本自身が「消費される情報」として本の洪水の中に呑みこまれていく姿にはどこかしら哀切を感じます。
この本に登場する数百の人名、書籍名、書店名、出版社名などの一覧を出版社のwebサイトからダウンロードすることができます。面白い試みですが、ただの索引にすぎないので、最初から巻末に綴じ込んでおいてくれたほうがこの本の資料的価値が高まったと思えるだけに惜しいです。
この本を読んでから、本屋の店内で「この棚の本を並べているのはどの人だろうか」と観察するようになりました。