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だれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫)
 
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だれが「本」を殺すのか〈上〉 (新潮文庫) (文庫)

佐野 眞一 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本が売れない―。相次ぐ出版社の倒産と書店の閉店。活字離れと少子化。毎日200点もの新刊が並ぶのに、「本」を取り巻く状況は、グーテンベルク以来の未曽有の危機に陥っている。果たして「本」を殺したのは誰なのか。書店、図書館、流通、出版社、あるいは著者…、その「事件」の犯人を割り出す、過酷な追跡が始まった。すべての関係者に隈なくあたった、渾身のルポルタージュ。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐野 真一
1947(昭和22)年東京生れ。出版社勤務を経てノンフィクション作家に。民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の交流を描いた『旅する巨人』(大宅賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 本のサプライ・チェーン・マネージメントを問う本, 2004/6/5
出版不況が続くなか、本がメーカー(出版社)から卸(取次)、小売(書店)を通って、消費者(読者)に届くまでの流れを、克明にたどり、話題となった単行本の文庫化である。単行本の内容が「捜査編」、単行本刊行後の動きをまとめたものが「検死編」として下巻の後半に加えられている。

「再販制度の下、出版社-取次-書店と硬直的な流れの村社会の論理の中で、ただ売れればいいという作り手主体、読者不在の本作りが、本を殺している」ということが著者の言わんとすることだと思う。

この本で語られる本の流通の激変は、何も本に限ったことではなく、90年代後半からあらゆる業界で進んでいるサプライ・チェーン・マネージメント(SCM、生産から販売の流れの中で売れるものを生産し、無駄な在庫は持たない)の波が、出版界にも及んできたものと考えるべきものである。

その最先端を行く1人が著者もインタビューしたセブン・イレブンの鈴木会長ではないだろうか。著者は「多品種少量生産の書籍と少品種大量生産の典型であるコンビニの商品とは当然のことながら同日に論じることはできない。あなた(鈴木会長)の論理には、あえてそのことに目をつぶった飛躍と無理がある」と書いているが、書籍の中でも雑誌は少品種大量生産に近い。著者が、こう決め付けてしまったところだけはやや違和感を覚えた。本を、単に流通する商品としてしか見ないことは、著者には抵抗があることだと思うが、各業界で進むSCMによる流通の激変(小売の大型化、卸の再編集約)を踏まえた上で、一連の取材、特に鈴木会長とのインタビューに臨んでもらえば、より深みのある作品になったのではないかと思う。その点だけが惜しまれるが、出版界の現在をえぐりだしてみせた名作だと思う。

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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 書店に行くことがますます楽しくなりました, 2004/9/18
本を取り巻く環境の現状や動きがよくわかります。
出版社、取次、書店といったものの関係や再販制度の問題点についてもいろいろと考えさせられる。

私の本の購入ルートはネット:現物書店=4:1ぐらいですが、この本に書かれているようなこだわり書店があるなら、実際に手にとって見てから買う買わないを判断できる現物書店で購入する割合はずっと高まるであろう。残念ながら近くにあるのは、この本で言われている「金太郎飴書店」ばかりである。

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29 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 この本には読み方がある。, 2004/7/7
 この本には読み方がある。
 まずデータの部分とインタビューの部分だけを読む。
 これだけで現在の「本」にかかわる問題状況がわかる。
 『本コロ』を褒めている人たちが感服しているのは主にこの点なので、佐野ファン以外はもうこれで十分である。

 佐野が自分の感想を述べているところは読む必要がない。

 私にとっては、正直、ルサンチマンで充ち満ちている左翼嫌いの団塊世代のおっさんが新橋辺りの飲み屋でクダ巻いて垂れているような、チープな感想文にしか思えない。

 そもそも本書の企図は「語って説かず」(上巻p.27)だったはずだが、そう言っている割には説教というか、感想が多い。

 世の中にはいろいろな本、いろいろな出版社、いろんな図書館があるといった現実を認めることができず、優劣を付けたがっている。
 要するに自分が折々で気に入ったことを褒めて、批判対象の論理に対してまともに批判するのではなく、気に入らないことをただケナしているだけなのだ。

 そして一貫した論理もないままに方々で矛盾することしか書けない。

 これを独善と呼ばずに何と言う?
 佐野が強く批判する左翼教条主義と同じことを、佐野自身がやっている。まさにマンガだ。
 幼稚な作文なのだ。

 大家であるはずの著者もこのような感想しか書けないのにそれをテンとして恥じず、また書評子も褒めることしか書かず、読者も喜んで読んでいる。
 このような状況こそが本を殺すのではないか?

 佐野には、きちんと相手の論理に向き合う努力をしてほしい。
 『カリスマ』にはそれがあった。
 『旅する巨人』にもそれがあった。
 本書でも相手を巨きいと感じたときには、それなりに向き合っていた。
 しかし本書は評伝ではない。気に入った人の論理だけ飲み込めば良いというものではない。

 この意味で、手法に問題があったのではないかとも思う。
 佐野の次回作に期待したい。ちなみに『宮本常一の写真に読む失われた昭和』は良かった。

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