これまでの資本主義経済に対して、
常に異を唱えている原丈人氏。
私は彼の著作をすべて読んでいるが、
「株主至上主義」「市場万能主義」に変わる
「公益資本主義」の考え方は、
何度でも唱えなければ変わらないという、
彼のベンチャー精神そのものがうかがえる書である。
とくに、考古学を目指していた彼が、
なぜベンチャーキャピタル界へ転身し、
バングラディシュやザンビアで事業を展開しているのかという
生い立ちが初めて綴られ、
本物のベンチャー精神とは何かも教えてくれる。
彼は単に現在の資本主義を攻撃しているだけではない。
その理論武装を着々と積み上げ、
実業を通じて実現しようとしている。
いつか彼は欧米の経済理論を打ち破るのではないか、
そんな期待を抱かせてくれるのだ。
対談の金児氏も、その人柄から現れるやさしさが、
本の中でも随所に現れ、読んでいて楽しい。
経済書としてではなく、これからの生き方を問う意味で、
多くの方に読んでほしい本である。