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だれかの木琴
 
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だれかの木琴 [単行本]

井上 荒野
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

どうしてわかってくれないのだろう。私はあなたが大好きなだけなのに。
主婦の小さな失望が、日常を静かに歪めていく。直木賞作家の待望の最新長編小説!

「またお店でお会いできるのを楽しみにしています」平凡な主婦・小夜子が、ふと立ち寄った美容室で担当してもらったスタイリスト・海斗から受け取った一本の営業メール。ビジネスライクなメールのやりとりは、やがて小夜子に自分でも理解できない感情を生んだ。どうしたら、彼のメールを取り返せるのだろう。だんだんと海斗への執着をエスカレートさせる小夜子。だが、自分が欲しいのは本当に海斗なのだろうか……。明らかに常軌を逸していく妻を、夫である光太郎は正視できない。小夜子のグロテスクな行動は、やがて、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆくが――。

著者について

1961年東京都生まれ。成蹊大学卒業。89年『わたしのヌレエフ』で第1回フェミナ賞を受賞しデビュー。2004年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で第139回直木賞、11年『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞を受賞。著書に『つやの夜』(新潮社)、『ベッドの下のNADA』(文藝春秋)、『キャベツ炒めに捧ぐ』(角川春樹事務所)などがある。

登録情報

  • 単行本: 210ページ
  • 出版社: 幻冬舎 (2011/12/9)
  • ISBN-10: 4344021029
  • ISBN-13: 978-4344021020
  • 発売日: 2011/12/9
  • 商品の寸法: 20 x 13.7 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 208,558位 (本のベストセラーを見る)
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 雪輪
たとえばアイドルに執着してずっと何十年もその人のファンであるとか、
有名俳優の誰かに共鳴して人生の指針を青春時代に与えられるとか。
誰にだって甘酸っぱい思い出とか、一生ひきずるような「こだわり」ってやつとか
あると思うんです、それは自分の人生のある時期(人によりますが)になんらかの遠因があっての何かだったんだけど、いまとなっては本人にさえ理由は不明、ってことあると思うんですよ。そのなにかが、セックスレスだったり、娘の思春期だったりといったことかもしれない。まあなんでもいい、なにか理由は総括的にみたらわかるんだけど、当人にはあずかり知らないこと。あり余るリビドーの発露がみつからずに、ああ結果は犯罪すれすれになっちゃったって、あるんじゃないかな、誰にもとはいわないけど。
ストーカーって男のオタクみたいなのが、よく犯罪記事に出てますが、女のあふれる思いだけでこうなっちゃったっていうの、小説ではなかなかまだないかも? 芸人オオタスセリ「ストーカーって呼ばないで」って歌、聴いたことないですか? 女ストーカーを一人称にしたお笑い戯れ歌?なんすけど、身につまされたジャニオタなどは多かったんでは?(笑)
まあそれを現代の主婦に置き換えた小説ですね。著者お得意のお料理にみたてた表現も冴え渡ります。わたしはこの主人公の夫(というか夫の状況と、その周りの人物=どう考えたって夫の置かれた状況と自己保身)になぜか共感すらした。そうして主人公の状況と行動に同情&納得もした。こういうすれ違いっていつだってどこだって充分ありうる。ここまではいってないだけで、って自己安堵してみる・・・・。
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結構怖い 2012/5/14
By
Amazonが確認した購入
 平凡な家庭所主婦がひょんなきっかけから若い理容師のストーカーになるお話。出だしで油断すると、かなり怖いことになるので要注意。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
  粗筋を読んだ時、平凡な主婦が若い美容師の青年に恋をしてしまってそれがエスカレートしていく――てな感じのよくある感じのお話だと思っていたんです。ですが、実際に読み始めてみると全然違いました。
 
 確かに小夜子の「行動」だけ取り出して見ると、ひたすら海斗に執着して追いかけています。しかし、なんだか読んでいる間中ずっとある種の違和感があって、小夜子が海斗からの愛情を欲しているようにはどうしても感じられなかったのです。そうして後半部分、「光太郎だったらそうするだろう」のところでようやくストンと納得できました。小夜子が求めていたのは、最初から最後まで夫である光太郎だったのだと。
 光太郎は表面上は良き夫であり良き父なのですが、それ故に今の平穏を守ることしか考えず、小夜子のやってしまった全てを「なかったこと」にしようとする。見ないふりをして、結局小夜子から逃げ続けてしまう。この時の小夜子の絶望はどれほど深いものであっただろうか、と考えるだけで胸が苦しくなってしまいます。海斗は完全に脇役でした。かつて深く愛し合っていたはずの夫婦が少しずつおかしくなっていく様がリアルでせつないお話です。

 個人的に、ラストに何か救いがあればよかったのにと残念だったので星4つにしました。
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