登録情報
|
とくに,社会の状況に詳しくない人たちほど被害が深刻.
本書はそういう人たちに向けて,「だまし」というものを知ってもらうことを目的にもともと講座のテキストだったものをまとめたもの.
どういう「だまし」がこれまでに起きてきたかという事例の紹介がメイン.
ネズミ講や振り込め詐欺.心霊商法などの多くの事例を紹介して,警告を促している.
ものごとを客観的にとらえるものと主観的にとらえるものをきちんとわけること.
客観的に捉えるべきことを主観的にとらえてはならない.これが一番大切であると述べている.
多くの場合,これを誤らせるのは,「欲」であると.
個人的には,科学者達の章が印象に残った.
数年前マスコミを騒がした考古学の「神の手」事件や野口英雄の研究など.
多くの研究者達も多くの誤りを起こしているということ.
他人を欺こうとする「だまし」というよりは,研究成果を焦るあまりつくったウソがウソを呼んでいく.
人としての「欲」が,研究者としての倫理観を失わせていく.
肝に銘じておかなければ成らないことであるとつよく感じた.
手品・推理小説など,だましをエンターテイメントとして楽しむうちはいいが,欲が絡みお金が絡むとたちまち大きな悪へとなっていく.
誰もがだまされる側にもだます側にも成りうると言うことを肝に銘じておかなければならないということを再認識させられた.
全体としては,もう少し心理学的な部分にもスポットを当てているのかと期待して読み始めたので,少し不満が残るものの,多くの人に,“気楽に”読んでもらいたい本ですね.
この番組とテキストの主題はあくまでも「受動的過ぎる姿勢で物事を見ていてはいけない」という気づきを示唆したものであるといえます。
1回25分の短い番組で全8回。その中で、物事の裏に潜む「もうひとつの側面」を端的に観察してみようという主題は十分に成功していたと思います。
人間講座(05年春終了)の位置づけとしては、市民に開放された公開講座、ごく簡単な入門的内容であるということ、そして関心が続くようであれば自身でさらに深く追求してゆけばいい、というものだと思います。安斎さんの場合もたくさんご著書がおありですから、そちらも当たられた上で主張を検証してみたほうがほうがいいと思います。これはあくまで簡単な入門書です。
知識欲や好奇心は、常にその入り口の面白さに刺激されて育ってゆくものでしょう。
「気づき」を与えてくれる安斎さんの手法は否定されるべきものではないと思います。
|
|
|