この本は「錯視」という観点からの「だまし絵」を描く方法と、その現象が起こるときに脳がどのように働いているのかを説明した本である。注意した方がいいのは、M.C.エッシャーや安野光雅らの描く「ふしぎな絵」について説明した本ではないということだ。実際には両者は重なる部分もあって厳密には区別できないのだが、エッシャーのような絵を描きたいと思っている人は違う本に当たった方がいい。
とはいえ、この本はおもしろい。何もないところに模様や色が浮かび上がってきたり、まっすぐのはずの線が曲がって見えたり、静止しているはずの絵が動き出したりする。もちろんそれらの絵の多くは実際に手元の紙と鉛筆で再現することができる。説明もわかりやすい。
世にも美しく不思議な「フレイザー錯視」と、恐怖すら覚える「リバースペクティブ」は、是非とも体験してみて欲しい。