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だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方
 
 

だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方 [単行本]

鈴木 亘
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

鈴木 亘
学習院大学経済学部准教授。1970年生まれ。1994年上智大学経済学部卒業後、日本銀行勤務。2000年大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程中退。大阪大学社会経済研究所、(社)日本経済研究センター、東京学芸大学等を経て、2008年4月より現職。経済学博士(大阪大学)。主な業績に、『生活保護の経済分析』(共著、東京大学出版会、2007年。第51回日経・経済図書文化賞受賞)等。学術論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 280ページ
  • 出版社: 東洋経済新報社 (2009/01)
  • ISBN-10: 4492701230
  • ISBN-13: 978-4492701232
  • 発売日: 2009/01
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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39 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By tonny_
形式:単行本
要は「現行の賦課方式を清算して積立方式へ再移行せよ」という、世代間の不公平および経済的効率性に重点をおいた社会保障改革論。著者の社会保障財政への危機意識は至極真っ当なものであり、政府・役所・社会保障の専門家(=御用学者)の作為・不作為に対する怒りには共感する部分も多い。
しかし、自身の推計結果の優位性を強調するあまり、積立方式のデメリットを過小評価している感がある。例えば、「人口構成の変化には中立的でも運用リスクはモロに被るのでは?」「そもそも運用収益率だって人口構成の影響は免れないのでは?」「社会保険と民間保険を"保険"というだけで同一視するのはどうよ?」「チリなどでは積立方式へ移行して失敗に終わったが、その総括は?」etcなど、積立方式にも数々の疑問が指摘されているのだが、本書では「過去10年はデフレだったから問題ない」「官僚や御用学者による屁理屈」等と切り捨てるか無視を決め込むかしており、こうした反論に真摯に対処しようとしない姿勢は誠に残念である。

とはいえ、経済学者による典型的な年金議論を俯瞰できるという意味では、とっつき難いが有用な一冊である。政府や官僚だけでなく経済学者に騙されないためにも、彼らが弄する数字のマジックの手口は心得ておきたい。
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20 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 著者は、学術雑誌に地道に論文を発表し続ける研究者として知られてきた経済学者である。学者の世界の常道であれば、ここいらでこれまでの論文を一冊の学術書にして…というところであろうが、啓蒙書である本書が単著第1冊目となった。
 その背景には、昨今の混迷極まる社会保障改革論議への著者の強い問題意識がある。その混迷を紐解いて行くためには、一般の人が手に取る、こいった形の啓蒙書が不可欠であるという切迫感にも似た使命感だ。著者は、本書の出版に学者としてのためらいがあったと「あとがき」のなかで、吐露もしているが、著者の使命感こそ、本来社会科学者に求められているものではないだろうか。2009年日経BP・BizTech図書賞を受賞したのも、そうした使命感に対する評価が大きかったのであろう。
 内容は、年金を中心に、医療、介護についても、経済学を使いながら、社会保障制度の解説と著者の考えるあるべき方向性が説かれている。大学生、とりわけ、経済学部の学生は、一見無味乾燥な経済学が、こうして実際の問題に応用されるのかということを実感できるはずだ。政策関係者は、政府の情報の「裏」を知ることができるはずだ。ただし、「入門」とはあるが、内容は高度なので、誰もがスラスラ読むという訳にはいかないかもしれない。また、「入門」としては、著者の考える改革の方向性が前面に出すぎている感がないでもない。それでも、理論と情熱の詰まった出色の1冊であり、社会保障改革を考える上で必読の書である。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
学習院大学の准教授である著者による、社会保障改革の提言書。年金を
中心として、医療、介護を含めた社会保障制度全般の原則と現状を簡潔
に説明してくれた後、年金制度の賦課方式から積立方式への移行を訴え
ます。この移行は二重負担があって無理と思っていましたが、改革期の
世代だけには押し付けず、とりあえず国に負債を背負った後でたくさん
の世代で将来にわたって少しずつ負担すれば解消可能との提言には納得
です。

また、著者の以下の説明や見解はとても新鮮です。
賦課方式下では「負担の引き上げ」と「給付カット」しか改革手段はない
低福祉高負担か中福祉超高負担しかない
少子化対策を強化しても社会保障問題の解決は難しい
世代間の助け合いは、後の世代への押し付け合いに等しい
若者の投票率が低く高齢者の投票率が高いことは、政治家が、現在の高齢者たちの既得権保護や利益供与のために行動する合理的な道理になる
現在の世代間の不公平は、創設期の高齢者への支払いよりも70年代からの無計画に始まった年金給付の大盤振る舞いのツケによる

また、最後に引用されている伊丹万作『戦争責任者の問題』の文が印象的。
多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという。私の知っている範囲ではおれがだましたのだといった人間はまだ一人もいない。
「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいないのである。

当事者意識を持つことの重要性を認識させてくれる本です。
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