■このままいけば、老人ホームから働き手が消える~担当編集者から~
「理想の介護」であるはずの、全室・個室ユニット型特別養護老人ホームでは、燃え尽き症候群により若者が職場を去る例が後を絶たない。
介護業界の人離れが問題になっているが、その原因は世間で思われているほど単純ではない。組織マネジメントの研究者が「職場」としては、救いようのない介護施設の現状をメッタ斬りするのが本書だ。
困ったときには「介護は心」を持ち出す無能な管理職、理屈ではなく、迷信が支配する職場、「思いつき」でコロコロ変わる方針、職員の生活を無視したきつい夜勤のシフト、介護VS看護になりがちなこんがらかった人間関係・・・。働いている人なら必ず思い当たるとことがあるはずだ。
本書では、組織マネジメントの視点からスウェーデンの介護施設の運営も紹介しているが、労働者への配慮と合理精神に貫かれており、はわが国とは対極にあるといっていい。週刊の介護保険専門紙「シルバー新報」掲載中から大反響だった連載に加筆。章毎に「議論のテーマ」を新たに設定、職場を振り返る研修テキストとして使用もできるように編集した。これから介護施設に就職する人、なぜ、職員が辞めるのかわからない経営者、管理者など職場として施設介護を考えるすべての人にお勧めだ。「理想の介護から理想の職場に発想を転換するための第1歩」(本書より)に。
■こんな方におすすめします
・これから介護施設に就職する人
・なぜ、職員が辞めるか分からない経営者
・部下がついてこない理由が分からない管理者
・理想の介護のカベにぶちあたっている人
・職場としての「施設介護」を考えるすべての人に
・各章末に「議論のテーマ」。職場内研修にも
■本書より
「介護現場で『心』が持ち出された時にはくれぐれも気を付けなければならない」
(第1章 魔法の言葉「介護は心」)
「職員の精神や肉体がすり減ってしまって燃え尽きるような夜勤のシフトを組んでいる施設、介護職員一人ひとりの良識や常識が潰されるような施設はなるべく近づかない方が安全だ」
(第14章 夜勤の介護がひどい)
「最近では、ユニットケアをやれば個別ケアが出来ていると早とちりする介護職員も多いが、介護は1に人手、2に能力、3、4がなくて5に建物だ」
(第18章個別ケアごっこ)
「『理想の介護』を実現するために、あるいは入居者のために、職員は馬車馬のようにひたすら働かされなければならないのか、ボロ雑巾のように使い捨てられてかまわないのか、原点に戻って真剣に議論すべき時だ」
(むすびにかえて)
岡田耕一郎(おかだこういちろう)
東北学院大学経済学部教授。日本、スウェーデン、ドイツの介護サービス組織のマネジメントを研究課題とする。
岡田浩子(おかだひろこ)
介護サービスシステムデザイナー。介護福祉士、社会福祉士。
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最も参考になったカスタマーレビュー
17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
まさに。,
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レビュー対象商品: だから職員が辞めていく 施設介護マネジメントの失敗に学ぶ [介護の本シリーズ] (単行本(ソフトカバー))
まさに私が働いている施設(特養)のことを書いてあるかのような図星の内容でした。介護業界は手探りでより良い方法を模索しているという現状が続いていますが、かつてベストに近い、最良であると思われたユニット型スタイルも、時を経て多くの問題点が露出してきたと言えるでしょう。 一定のADLを保てていない利用者の下では、ユニット型のシステムはすべて介護職者の負担になります。高々と掲げられた理想は職員の負担にしかならず、理想が実現できないと、それを職員のせいにするという施設運営の責任者が多く横行するなか、その負担は燃え尽き症候群や虐待に繋がっていきます。 この本を買われた方は私のような一介の介護職員が多いのでしょうが、表では笑顔で理想を高々と掲げて、裏では老人を汚いと罵るうちの施設長を初めとした、介護の有識者や業界の責任者にも広く読んで頂きたいものです。 施設運営を担う方に無償ででも配布して熟読を義務付けたいほど、赤裸々で図星な内容が書かれています。 2000年代後半の介護業界(特に施設)における現状の大きな問題点が非常に現実的、具体的に指摘されています。この本に挙げられた問題点の解決こそが2010年代の介護業界の新たな方向性となるだろうと思いました。 すでにそうなっている新たな傾向を感じていますが、私もこの本を指針にヒエラルキーの最低部分で舵取りをしたいと思います。
29 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
職場としての施設介護、を考える。,
By ドクトルF (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: だから職員が辞めていく 施設介護マネジメントの失敗に学ぶ [介護の本シリーズ] (単行本(ソフトカバー))
施設介護に関する本には、「理想の介護」を目指して情熱にあふれ献身的な職員達が描かれているものが少なくありません。しかし一方では、介護職員の離職率は驚くべき高さという現実があります。それは何故なのでしょうか?。著者の批評は具体的で鋭いです。介護現場では「介護は心」「(擬似)家庭的な介護」「宗教的組織」等が認められることがあり、そこでの労働環境は前近代的とも言える様です。 介護現場が標準化(偏った介護にならずに)され、職員が燃え尽きずに長く勤められる様になるように、本書の有用性は高いと思います。 (もちろん多くの介護現場はぎりぎりで頑張っており、職員の給料は安く、介護報酬のアップが必要かと思われますが…)
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
だから・・・,
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レビュー対象商品: だから職員が辞めていく 施設介護マネジメントの失敗に学ぶ [介護の本シリーズ] (単行本(ソフトカバー))
「理想の介護」を錦の御旗に掲げ、奉仕精神を強要するかのような介護職への本が多い中、「理想の職場」こそが重要だと説いている現状認識として(恐らくは)正しい本。介護現場の実情に正鵠を射た分析を行っており、内容的には☆五つなのだが、現場への批判が多く、その割には改善策があまり明記されていない為、辛辣な筆致に感じられてしまい、これを読んだ現場職には却って反発を呼び起こされそうな点がマイナス。岡田氏の考えには賛同するところが多く、実際に現場の同僚に見せようと思って購入したのだが、却って意固地になりそうな気がして止めた。 また前作「老人ホームをテストする」が良書だったため購入したが、今作の内容は殆ど焼き増しと補足が多い為、前作を読んでいればいいかな、と思わせた部分で☆3つ。
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5つ星のうち 3.0
的を得ているのはユニット批判だけ
結局、従来の「全員一斉に食事・排泄・入浴」でいいじゃん。労働環境劣悪なんだから... 続きを読む
投稿日: 2009/4/3 投稿者: くたくた
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