「だいこくばしズム」は、ネットで連載しているころから見ていた。書籍化された「だいこくばしズム」を見ると、かなり肉付けされ、内容が深まっている。私が読んで思ったことは、ビジネス書としても通用するということ。もちろん、本格的なビジネス書に比べると、ノウハウなどは描かれていないが、著者がイラストレーターとしてキャリアをつけ、結婚、独立、そして夫を退社させてアシスタント兼マネージャーとして養っていくまでのプロセスの中に、いいことも辛ことも盛りだくさん描かれており、参考になる。不条理な思いをしながらも、イラストレーターとして地位を高めていく過程は、とても引き込まれる。夫となる恋人にプロポーズをして断られながらも、「大丈夫 責任はこちらが持つから」と寄り切る様は圧巻でだ。女性の力強さというか、勢いを感じた。
いっぽう、そういう力強さとは反対に、独立するにあたって石橋を叩きすぎるというくらいに慎重を期したのも面白い。貯金が340万円貯まったのを期に独立を決断する場面などは、将来、独立・起業を目指す私にとって、とてもリアルに感じた。自分のペースで生活できるというフリーのよさを味わう半面、仕事がなければ食べていけない厳しさ。起業することとは異なるところはあるだろうが、独立して食べていくことの厳しさは同じだろう。そういう意味では、将来をイメージするのに非常に役に立った。
おもしろく、参考になる。これが「だいこくばしズム」を読んだ私の印象である。