本書の著者・武村政春先生は、DNAポリメラーゼの研究者であり、分子生物学に関する著作が多数あるが、同時に教材の開発にも熱心な方だ。本書でも、優しい語り口で読者に生物の体を構成し、生体内で働くたんぱく質について、どのようにしてその設計図であるDNAから作り出され、そしてどのように作用するのかを解説していく。
武村先生の序文にもあるとおり、この本は生物学に興味を持った高校生を想定して書かれた内容なので、大学生以上のレベルでは物足りないかもしれない。だが、ユビキチン、ユビキタス、H5N1型インフルエンザウイルスあるいはプリオンたんぱく質など、最新の話題も盛り込んでいて、誰でも興味深く読むことができる。
分子生物学者というより、医学博士としての武村先生が前面に出た著作である。