イタリアの高名な美術家ムナーリが愛息に贈った伝説の傑作仕掛け絵本シリーズ全9巻の2冊目です。1冊目「どうぶつ うります」は本当に短くてあっさりした印象でしたが、今回は頁数も増えてカラフル度もより増している様に感じます。今回のテーマは父から息子への誕生日プレゼントと言う事で企画本来の趣旨に相応しい父子愛の物語ですが、でもそこは冗談がとってもお好きそうな作者の事で、やっぱりストレートな物ではなくて捻りの効いた展開の物語になっています。
トラック運転手のマルコは3歳の息子に誕生日の贈り物を届けようとトラックで家に向かいますが、残り10キロ地点で無情にもどこかが故障して急にストップしてしまいます。以降家までの距離が1KM減る毎にトラブルが起きて乗り物を次々に変えて行くマルコ父さんの努力には本当に頭が下がります。作者が意地悪くマルコ父さんに試練を与えてどんどん移動手段を駄目にして行く運命の悪戯は理不尽その物でお気の毒に思いますが、でもその強引な筋運びには何となく苦笑させられますね。そしてお父さんが苦労の末にようやく家に辿り着いた先に待っていたのは・・・・。今回のオチは大笑いさせる物ではなくて、ほのぼのと心を温めるごく普通の幸せな物でした。この本もまた素朴でカラフルなイラストがお洒落で、内容的にも面白く読めて満足しました。帯で紹介されている残り7冊のラインナップの予告のタイトルを見るだけでも十分に魅力たっぷりで次はどんな面白いお話なのかなと非常に気になりますので、また機会があれば読みたいと思います。