「結婚したことを後悔しているわけじゃない。ただ、淋しかっただけ――」
完璧に家事をこなす妻を裏切り、若い奈美と浮気する木島。妻が化粧をするのを最期まで許さなかった原田。婚約寸前の彼女がいるのに社内で二股かけた洪一。仕事のために取引先の年上女性に近づく孝次。若い妻を信用できずにメール恋愛を仕掛ける田崎etc.
寂しがって生きている女と、悔しがって生きている男。
それでも恋をせずにいられない男と女のほろ苦い人生をしっとりと描く恋愛小説9篇。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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今回の作品はすべて男の目線でかかれていて、「どこにでも、自分が注目を浴びていないと話ができない女はいる」、「助けられたことが、特別な出会いだと思い込む女」。読んでいて、ひやひやっとするようなセリフがいたるところに…どうしてこんなにさらっと、男女の核心をつけるんだ!!?
あんなに作品の中で、男女のいやらしい部分をこれでもかというほど露呈させておいて、それでも恋愛小説と言い切る、唯川恵。全く、あっぱれ。
作品には本当に普通の人間しか出てこない。出てこないのに、全く退屈させない。どんなオチが待っているのか、どんなストーリーの裏切りで、読者を本の世界に落とし込んでくれるのか。
読書の醍醐味を教えてくれる一冊
この「ため息の時間」はそんな私の気持ちを後押しするかのように恋愛と結婚
についての物語が詰まっていて、決して「結婚=幸せ」ではないと思わせる。
だからと言って、一生独身でいようとか思ったりもしないんだけど、
なんだろう?この話を読んでると「結婚に逃げちゃいけない!」って思わせられるし、
幸せになりたいのなら、自分が幸せを与えられるようにならないとダメだって
思わされました。
25歳~30代半ばくらいの方にお勧めです!
9編とも洒落た「落ち」が用意されていてそれなりに面白いのですが、特に、リストラされた男性を主人公とする『終の季節』が心に残りました。解説の北上次郎氏も同じ感想のようですが、寂寥感に立ちすくむ人間同士の出会いが、いい味で描かれています。甘いと言えば甘いかも知れませんが、そういうことでもあるならば、先の見えない人生も生きていけるというものです。
ブラックユーモアとしては『濡れ羽色』が面白かったです。結末は明記されていないのですが容易に想像でき、「なるほどそういう伏線だったのか」と感心しました。
身勝手な男、翻弄される男、さまざまな局面の男を描いていますが、身につまされる部分もありました。この作家は初めて読んだのですが、色々な男女をよく見ているのだと思いました。
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