友人宅のある島に、ベビーカーに乗った息子を連れてやって来た主人公。
島に着いてからというもの、なにやら不安に駆られ、友人に会いに行くのをためらっている。
意を決して、夕食後一人訪ねると、家には明かりがない。どうやら留守のようだ。庭は荒れているし、手紙も随分たまっている。その時、ガレージの方で物音が・・・。
暗い色調の幻想的な風景の中、主人公は怪しげな妄想をし始める。
夜毎息子を寝かしつけると、何かに吸い寄せられるように寝静まった村へ・・・。
波に乗って行きつ戻りつ、たゆたいながら、ラストへと少しずつ流れるように進む。
他の作品と同様、繊細・緻密な描写やそこから漂ってくる雰囲気、ユーモアのある言い回しが良い。
この作品では幾分ユーモアの面は抑えられ、より丁寧に情景が描写されている。
何でもないものがとても魅力的に見えてくる。