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ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫)
 
 

ためらいの倫理学―戦争・性・物語 (角川文庫) (文庫)

by 内田 樹 (著)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

ためらい逡巡する思考の深みへ

『おじさん的思考』『寝ながら学べる構造主義』がベストセラーとなった思想界の「正しいおじさん」の原点。ためらい逡巡する精神にこそ意味がある。内田思想の中核をなす最重要本がついに文庫化。



内容(「BOOK」データベースより)

アメリカという病、戦後責任、愛国心、有事法制をどう考えるか。性の問題、フェミニズムや「男らしさ」という呪縛をどのように克服するか。激動の時代、私たちは何に賭け金をおくことができるのだろうか―。ためらい、逡巡するという叡智―原理主義や二元論と決別する「正しい」日本のおじさんの道を提案する。内田樹の原点が大幅加筆でついに文庫化。

Product Details

  • 文庫: 372 pages
  • Publisher: 角川書店 (2003/08)
  • ISBN-10: 4043707010
  • ISBN-13: 978-4043707010
  • Release Date: 2003/08
  • Product Dimensions: 5.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.2 out of 5 stars  See all reviews (18 customer reviews)
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37 of 45 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 文庫化されて読みやすくなった, 2005/10/29
By daepodong (DPRK) - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
 現時点での内田の代表作を一冊選べ、と言ったらこれになるかもしれません(個人的には別のにしたいですが)。あちこちに著者が「書き散らしている」主張のほとんどがここに凝縮されています。
 基本的な著者の視点は「自分を絶対化しない」ということで、自分の正しさを常に疑ってかかる、というところから、宮台真司やスーザン・ソンタグに対する疑義が表出される。ただし、すくなくとも、内田氏自身の著書からこの姿勢を感じ取れるところはすくない。だから、かれの著書は、原稿にされる時点で「これでよいのか?」という自問自答を経ていると解釈すればいいのだと思われる。もうひとつはあまり指摘されていないことだが(そして著者じしんも明言していないことだが)「あたりまえに、常識的に考える」ということだ。業界の常識で世間を眺めるととてつもなくゆがんで見えることがプロフェッショナルにはままある。その陥穽に嵌まらず、専門家ゆえの大胆な問題提起をどうやって行ってゆくのか、そのバランス感覚に著者は優れていると言えるだろう。その結果、「大衆の常識」に合うかたちで話が進んでいるので、ポピュラリティを得ることが出来る反面、衒学志向のつよいひとから嫌われたり、批判的な読みをすることがむずかしくなったりする欠点もある。それは八方美人を目指さない以上は仕方のないことだ。
 ただ、読者としては、つねに本書に対しても「どこかおかしいんじゃないの?」の眼を持って読む、ということだけは忘れないようにしたい。
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33 of 40 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars なんかちがうんだよねとよくかんじてしまう人向き, 2001/10/18
あのひとの言っていることは、確かに論理的には正しいことだけれども、なんかちょっと違うんだよね、でも、そのなにかをうまく説明できなくて、いらだってしまうことがけっこうある。そんなふうにかんたんにいえる問題じゃないだろうと。たとえば、アメリカの「正義」、従軍慰安婦問題のこと、教科書問題のことなどいろいろ。これらのテーマを取り上げ、その違和感の在りかの個人的見解をためらいがちに述べたエッセイ集です。この本は、確固たる正義のことばを求めている人、白黒をはっきりさせなければ気がすまない人などには、向かないかもしれません。わからないことがらを、安易に著名人の言説に寄りかかってわかったふりをしないで、わからないといえるひと。わからないながら自分のあたまで考えよう!とするひと向きの本だと思います。
「倫理学」とタイトルだけで、引いてしまうひともいるかもしてませんが、その語り口は平明で、けっこう笑わせてもくれます。
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26 of 37 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars とっても満足, 2004/5/24
 面白かった。特に前半の戦争論のあたり。目からウロコというよりは、自分がいつももやもや感じていたものを、きっぱり言葉にしてもらって嬉しかったという感じだ。現代の多くの日本人が戦争に対して持っている感覚が「ねじれている」こと。そのために気まずくて、いたたまれない気持ちを持っていたことを、きっぱり言ってくれてありがとう、内田センセイ。ねじれていて、中途半端な自分が後ろめたくて、あっけらかんと意志表明するアメリカ人を馬鹿にしたくて、でもできなくて。そういう自分だったのだ。そして、日本が「ねじれ」の処理法として、対立するふたつのイデオロギーに対峙させて内的なねじれを消滅させようとしてきた、という指摘は非常に面白い。

 戦争論に比べて後のフェミニズムやポストモダニズムの部分は歯切れが悪くなるけれど、これもこの人の良さかとも思う。要は自分で後書きにも書いているように、「自分の正しさを雄弁に主張することのできる知性よりも、自分の愚かさを吟味できる知性のほうが、私は好きだ」と思う故なのだろう。

 非常に哲学的であり元気な論客であるが、こんなにもわたしが共感して読めたのは、彼が文学の価値を高く認めているためかもしれない。

 最後まで読んで、この人が書いていることにことごとく自分が共感してしまったので、却って心配になる。彼自身も言うように、「自分は間違っているかもしれないと考えることのできる知性」を、わたしも少しでも持っているならば、こんなにも共感してしまうのはどこか用心すべきところがあるのかもしれない、などと考えたくなるくらいだ。

 ひとつだけ不満なこと。カタカナ用語が多すぎ。それも英語とフランス語がまざっているので一層読み辛い。せっかくの内容なのに、イデオロギー業界の業界用語をこんなにも多用されたら一般人は読む気をなくしてしまうじゃないの。ふつうに書ける文章力を持つ人なのだから、ぜひふつうに書いてほしい。

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