あのひとの言っていることは、確かに論理的には正しいことだけれども、なんかちょっと違うんだよね、でも、そのなにかをうまく説明できなくて、いらだってしまうことがけっこうある。そんなふうにかんたんにいえる問題じゃないだろうと。たとえば、アメリカの「正義」、従軍慰安婦問題のこと、教科書問題のことなどいろいろ。これらのテーマを取り上げ、その違和感の在りかの個人的見解をためらいがちに述べたエッセイ集です。この本は、確固たる正義のことばを求めている人、白黒をはっきりさせなければ気がすまない人などには、向かないかもしれません。わからないことがらを、安易に著名人の言説に寄りかかってわかったふりをしないで、わからないといえるひと。わからないながら自分のあたまで考えよう!とするひと向きの本だと思います。
「倫理学」とタイトルだけで、引いてしまうひともいるかもしてませんが、その語り口は平明で、けっこう笑わせてもくれます。