私は「秘密」「白夜行」「片想い」の3作品が東野さんの作品で最も好きです。
本書「たぶん最後の御挨拶」を読むと、私がなぜこの3作品が最も好きなのか納得できました。(まぁ勝手に推測しただけかもしれませんが。。。)
東野さんは府大(関西人は大阪府立大学のことをこう呼びます)卒業後、結婚され、その後、離婚されています。
秘密はその離婚後に、デビュー以来初めてあえて1年間何も出版せずに、満を持して出版されました。そして、推理作家協会賞を受賞し、広末主演で映画化もされ久しぶりのヒット作となりました。
そして、その秘密の後に、白夜行、片想いが続いて発売されています。
私はこの3作品が家族のことを描いている点で共通点があることに気づきました。
いずれの作品も別れ(妻への失恋・愛する人との死別・離婚)がキーワードになっています。
離婚後に続けて発表されたこれらの作品はある意味必然的に家族と別れがテーマになり、それは東野さんの離婚という経験が大きく反映されているであろうことに気づきました。
本書はこういった作者の当時の心情や、作品に込められた想いの背後に何があるのかを考察できる内容を備えている点で、ファンにはとても貴重な本(最後のエッセイ集)だと思います。