ほんとうにありそうな「たぶらかし」業、それは役者の派遣。
このままおもしろい連続ドラマになりそう。
着想がおもしろく、文章もきちんとしている。
著者は二度の最終候補を経て、小説すばる新人賞を受賞した。
あきらめないで書き続けた努力、そしてガッツというか執念が、作品に溢れている。
主人公は冬堂マキ、食えないが知る人ぞ知る役者、
「伝説の女スナイパー、サグラダファミリア、通称赤マムシ三平太」。
5年前、両親の海外移住でパラサイト不可となったマキ。
藁をもつかむ感じでヤバイ会社に就職、そこは1日で退社するも、
同じビルに役者募集の張り紙を見つけ、飛び込んだ。
即採用された会社の業務内容は、役者の派遣。
自殺死をとりつくろう遺体、
新妻の親戚付き合い代行、
セレブな母親代行。
世間をたぶらかそうとする、ひとクセもふたクセもある依頼者たち。
マキは、むちゃぶりされた役を見事に演じることで、
彼らの人生と深く関わることになる。
この作品だと、姫野カオルコと作風が被る気がするが、
凄味のあるパワフルな書き手だと思う。
今後に期待。