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たった独りの引き揚げ隊  10歳の少年、満州1000キロを征く
 
 

たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く [単行本]

石村 博子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「俺が人生で輝いていたのは10歳だった」。41連戦すべて一本勝ち! サンボの生ける伝説・ビクトル古賀はいう。個人史と昭和史、そしてコサックの時代史が重なる最後の男が命がけで運んだ、満州の失われた物語。

内容(「BOOK」データベースより)

一九四五年、満州。少年はたった独りで死と隣り合わせの曠野へ踏み出した!四一連戦すべて一本勝ち。格闘技で生ける伝説となり、山下泰裕を指導するなど、日本柔道界・アマレス界にも大きな影響を与えた男・ビクトル古賀。コサックの血を引く男は「俺が人生でいちばん輝いていたのは一〇歳だった」という。個人史と昭和史、そしてコサックの時代史が重なる最後の男が命がけで運んだ、満州の失われた物語。

登録情報

  • 単行本: 354ページ
  • 出版社: 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009/12/11)
  • ISBN-10: 4048850423
  • ISBN-13: 978-4048850421
  • 発売日: 2009/12/11
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
昭和21年秋、満州の荒野を、たった独りで日本を目指して歩く少年がいた。
これは実話である。

 主人公は日本人の父親とコザックの母親を持つ10歳の少年ビクトル。終戦後の混乱期、引き揚げ隊に入れてもらって列車で日本を目指すものの、途中で「ロスケのガキの世話なんかできるものか」と弾き出される。棄てられたのだ。

 そこから日本に帰るまで、少年ビクトルの4ヶ月間、ハルビン〜新京〜奉天〜錦州の1000Kmを歩きとおす旅が始まる。

 コザックの子供として裸馬に乗り、友人達との遊びの中でナイフの使い方、川の渡り方、食べられる木の実の採り方等、生きるすべを覚えていた。

 そして何よりも日本語のほかにロシア語、中国語、トルコ語、朝鮮語等5カ国後をしゃべれることが心強かった。

 野宿しながら朝起きると「神様、ありがとう」と、生きていることを実感し、太陽に「ありがとう、ありがとう」と呼びかけた。中国の兵隊達にも助けられた。煙突の煙でロシア人の家を探し、食べ物をもらった。

 途中で、暴徒達に襲われ、惨殺される引き揚げ者達も見た。そして彼はその死体から靴をもらっても、死者の為に十字を切ることは忘れなかった。

 日本の大人達は悲壮感にあふれ、下を向いていた。自分だけが大事で、弱い者をかばわず、人を裏切る大人達。敗戦で精神的にも肉体的にも打ちのめらされて、死んでいく人達を見た。

 筆者は言う。
「死んだ人間よりも、生きている人間が恐ろしい」
 
 この本を読んで、勇気をもらった。どんなに逆鏡にあっても、決して自分を捨ててはいけないと。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
ビクトル古賀さんは、サンボの達人とのことですが、正直、この本を読むまで存じ上げませんでした。満州のコサックから日本引き上げまでの個人史がつづられています。

私自身も、引き揚げ者(母親が朝鮮京城から)の子供であり、引き揚げ時の恐ろしい話は、いろいろな形で聞かされていた。引き揚げ者は、日本に帰国してからも、経済的には苦しくて(一家の大黒柱を戦争で失っていは人がかなり多い)、いわゆる、戦後の日本で大変だった人の、数十倍も大変だったという事実がある。

苦労して生きてきた、母親の一族を思うと、私は当時のことをもっと知りたい。だから、本書も、私は自分の一族の歴史を知るという意味で手に取った。

この本は冒険記としても秀逸だが、人間として生きることを深く考えさせられた。敗戦の極限状態の中で、人間はいかに弱く、いかに卑しいのか。
日本人がいかに弱いのかという少年ビクトルの観察は、今の日本人も同じではないかと思う。

強く生きたいという日本人すべての人に参考になる本だとおもう。
素晴らしい。そして、人間って愚かで卑しいが、それでも、人間は悪くないって思わせてくれる本だった。ビクトル古賀さんの人生を通じて、悲喜こもごもという言葉をかみしめた。そして、最後のロシア人のロジーナ(祖国)の思いに泣けた。

帰りたいのに帰れなかった、祖国を思いつつけた引き揚げ者へ、そして、今を生きるすべての強く生きたい日本人へ。お勧めの本です。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 浪速のスライサー トップ500レビュアー
形式:単行本
私は格闘技ファンなので、ビクトル古賀さんの事は前から知っていたため
非常に興味深く読みました。

正直本書を読むまで、サンボの元世界王者と言う事は知っていても、この
ような壮絶な引き揚げ体験をされた方だとは知りませんでした。

10歳(正確には11歳か…)の少年がたった一人でハルビンから錦州まで、約
1000kmを単独行するというのは、現代社会ではあり得ない話ですが、古賀氏の
エピソード(時折、ひとり言のような形で挿入される)が非常に説得力がある
ため、読んでいても非常に納得出来ました。彼ならやるだろうと。

非常に面白い本なのですが、唯一著者に対して不満に思った事。個人的には
何故、ビクトル君が、周りに親戚も、父親さえもいる環境の中で、一人だけで
旅立ったのか、と言う動機に関する記述が甘いように思う事。ここだけがどうも
腑に落ちないんですよ。コサックの末裔である事に強いこだわりを持ち、周りの
日本人とは本質で分かりあえないと感じ続けているビクトル少年が、母の安否
すら分からず、父親も中国から動こうとしない中、何故独りで日本を目指したのか?

「俺は日本人だから」と言うセリフで片付けると、ビクトル古賀と言う人が理解
出来なくなってしまう。この点を掘り下げると、もっと面白い話になったと思うの
だが・・・
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