内容紹介
2010年夏、惜しまれながら逝った歌人・河野裕子は恋愛や出産、子育てをはじめとして、女性の人生を時に大胆に、時に繊細に歌いつづけた。
しかし、その魅力は歌だけではない。歌同様、飾り気のない体当たりのエッセイをものすることのできる稀有な女性であった。
本書は、幻の第一エッセイ集『みどりの家の窓から』を全篇収録し、さらに21篇の未収録エッセイとともに新編集したものである。若き研究者の妻としてアメリカで過ごした日々をいきいきと綴った同書から読み進めていくと、すこしずつ大人に近づいていく子どもたちとの日々や、「歌の申し子」とまでいわれた彼女の感受性の源泉が見えてくる。
以下、「あとがき」(夫・永田和宏)より
本書のタイトル『たったこれだけの家族』は、
たつたこれだけの家族であるよ子を二人あひだにおいて山道のぼる
(『はやりお』)
から採った。「たったこれだけの家族」ではあるが、その家族は、河野裕子にとって生涯の誇りであった。「こんないい家族はいないと思うのよ」と彼女自身があちこちで発言し、また書き残しているが、その家族の中心にいつも河野裕子があり、その弾けるような笑い声と笑い顔があった。(略)
目次
I
ほごの帯 カカシ小学校 SОS信号 となりのウサギ 平塚画伯のこと 友だち親 逆立ちする子供たち スーパーマーケット アメリカ料理 おたまじゃくし ひっこし ジェーンとジェームス カンヅメ猫 タッチ 夏休み おにぎり 耳英語 子供たちのいない日 ヘビの散歩 ミッシング 夏の終わり 忘れるな クルミの小部屋 ナナが死んだ アメリカンフットボール 日本語学校 帰国が不安 カニの買い出し バレンタインの日のバレンタインさん ボランティアの人たち 子供たちのメイクマネー 子供たちの耳 四月の雪
II
はだし スリッパとホーキ 屋根裏の子供部屋 鴨 チビの悲哀 ぎんなん ぎんなん 方向音痴 鮠の井戸 カバヤキャラメルの本 欲しかった物 ぴよぴよもんがらもんがら 卵かけごはん
III
無花果の木 米原を過ぎる頃 湯の中 今年の桜 黒い柩 花音痴 十四年 アカヤマドリ 木の名草の名 宮の杜で 柊 横に走る涙
IV
ひとり遊び 英語圏の中で「万葉集」を読む 友だち親 たったこれだけの家族
あとがき(永田和宏)
代表歌(永田淳、永田紅選)
内容(「BOOK」データベースより)
ある家族の青春時代、エッセイ61篇と代表歌100首。第一エッセイ集『みどりの家の窓から』完全収録。