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35 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
1人の若者の命への生還の旅,
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レビュー対象商品: ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫) (文庫)
何年も前に原書を読んだ。今回、訳本の邦題を見て「ちがうな」と感じた。自転車の話じゃなくて。が原題なのに、この邦題はないだろう。日本では自転車ファンしか著者を知らないのでツールドフランスのヒーローだと示したくてこの邦題になったのかもしれないが、マイヨ・ジョーヌが何かを知っている人は著者を知っているだろう。しかし、読んでみてあらためて面白かった。面白いというのがはばかられるほど深刻な話でもある。私の英語力では原書からは充分に読み取れていなかったのだろう。 まずは癌との壮絶な闘病記である。医師が生存率3%とも考えた癌からの生還。ただ医師まかせにするのではなく、母親、恋人、友人の力を借り、能動的に選択し、戦っていく姿。そんな著者でさえ吐き続け起き上がれなくなるほどの抗癌剤治療と手術。 そして、世界的スポーツ選手としてのサクセスストーリーである。激しすぎる気性、強靭な肉体、そして苦しみに耐える精神力。それは恵まれたものであったかもしれないが、いかに危ういものであったかも感じることができる。暴走させたカマロで、自転車レースの下りで、練習中の大型トラックとの事故で、いつ終わっていたとしても不思議ではなかったのだ。 母親や、恋人や、周囲の人との関係も描かれていて興味深い。これでも描いていない部分もあるのだろうが、エゴと感情むき出しに振舞った姿が取り繕わずに書かれている。 現れてくるのは人間像であり、半生記である。それは常人のものではないかもしれないし、現代の金満スポーツビジネスに毒されている部分があるかもしれない。しかし、父を持たずに生まれた一人の若者が、自分に与えられたものだけで、まさに命がけで闘った栄光の記録でもある。 原題を噛み締めたい。My Journey Back to Life. 小説なら馬鹿馬鹿しいかもしれない。が、実話なのだ。多くの人に薦めたい。少々厚い本だが、原作の平易な文章とメリハリの利いた構成と優れた翻訳のおかげでたいへん読みやすい。 ハードカバーも含めると多くの方がレビューを書いておられる。その受け止めかたも様々なのが、かえって興味深い。私は絶対☆5つ。スポーツ好きでもそうでなくても、若くてもそうでなくても、癌を患っていても健康でも・・・読む価値がある。
33 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
何人ものヒトに、伝えたくなる感動。,
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レビュー対象商品: ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (単行本)
3600Km以上もの道程、しかもアルプスの山々を越える21日間を制したのが、ガンからの生還者なのだ、などと誰が想像できるだろうか。フル・マラソンよりも過酷なレースを連続して3週間も続けているロードレーサーたちは、それだけでスーパーマンであるにも関わらず、その最高峰であるツール・ド・フランスに連続優勝したのが抗がん剤でボロボロになった体を再び鍛え上げた人間だとは。あるキッカケで、ヒトは途方もない精神力や忍耐力、復元能力といった力を発揮できるのではないか、またそれが自分にも備わっているのではないかと勇気づけられる感動の一冊。 がん研究のための基金を設立し、自らも活動するなど、社会的責任をも果たしているランスのボランタリティにも感心した。
28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「うつ病」と自分,
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レビュー対象商品: ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (単行本)
この本のあらすじとしては一度一流の自転車選手になったランス・アームストロングは25歳のときに睾丸癌を発症する。 長くつらい闘病生活の末、癌は消えたが、その後の一年は再発を恐れて過ごし、完全に直ったあとは、元の生活に戻る為のあらゆる困難に直面する。 (特に一度自転車選手として復帰したが、自転車選手としてのつらい生活が嫌になってしまい、地元に帰って自堕落な生活を送るが、周りの人間に支えられながら再び復活を決意するくだりが自分は好きだ。) しかし、「僕の人生は長くつらい上り坂を上るためにある」と思いを定め、癌の発症から二年後、見事に自転車選手として復活し、次の年には「ツール・ド・フランス」で優勝する。 といったなかで本人が感じたり、考えたりしたことが赤裸々に語られている。 ランス・アームストロング、同じ人間とは思えないほどスゴイ男だが、この本では、人間的な弱さも告白している。 この本は自転車競技についても分かりやすく書かれてはいるが、本質的には癌を患った患者に対して、「勇気を持って立ち向かえ」という強烈なメッセージを送っている、 自分も彼のように自分の病気について、徹底的に調べ、積極的に直す努力をしていこうと思った。 なぜなら、自転車できつい上り坂を登るつらさは、私にもよくわかるし、それはまさに人生を生きていくことに、よく似ていると私も感じたからだ。
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