やはり「たそがれ」とあって、レビューなかなか出ないですね(笑)
池波 正太郎, 北原 亜以子, 山本 周五郎, 藤沢 周平, 山本 一力の短編が読めるので
時代モノをもっと読んでみたいけれど、誰の作品がいいか悩んでいる人には
手ごろ(?)でよいのではないでしょうか?
時代モノだし、たそがれだから・・・と避けているのであればもったいない。
●ダメ上司のために奔走する日々。ある日青春がよみがえり心は若やぐが、体が追い付かない
●「オトコは背中で語る」仕事一筋。妻にも娘にも「エラいオヤジ」でいたいので
早期退職を言い出せずミエをはって、出向先でも威張っていたが・・・
●昔はちやほやされたけれど、歳をとると煙たがられ、自分以外の女がみんな幸せそうで恨めしい。
ついついミエをはってついたウソに慰められ、ある日自分の弱さを認めた時に・・・
●「見た目」で惚れた、添い遂げる、ついていくと心から思ってしまうが
人間の本性はわからない。語りあわないからすれ違い、大事なものを失っていく・・・
●静かに暮したいと隠居をしても、いざとなればせがれの危機に奔走する。
今の時代にもある話ですよね。
35くらいを過ぎれば、あ、コレあの人みたいとくすりと笑えたり
そうなのよねぇ、と共感することもあり。
とくに私は北原亞以子さんの、若くない女性の孤独と嫉妬、見栄の描き方に
共感と共にぞっとしました。
自分以外の女性は幸せそうに見えるし、自分ばかり不幸に思えるけれど
じつは幸せそうに見えても、心の底で傷ついているかもしれない。
見栄を張っているだけかもしれないし、自分も見栄を張っているかもしれない。
自分の弱さを認めた時、他人の弱さを知ったとき
オンナって団結するんですねぇ。コレが。
孤独だと思っているのは、自分の弱さを素直に認めず、強がっているからかも。
泣けはしないですが、しみじみさせられる短編集。