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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
様々な人々の人生の断片を凝縮。,
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レビュー対象商品: たそがれ酒場 [DVD] (DVD)
公開された年は1955年、昭和でいうと30年、終戦からわずか10年の時の作品である。この時代に懸命に生きる老若男女の人生を、酒場という一つの舞台に凝縮し描いている。予算的な制約もあったであろうが、舞台を一つのセットに限定し、様々な登場人物のエピソードに実際に歌やレコードなどの音楽を随所に挿入することで、全編が淀むことなく展開してゆく。終戦からまだ10年とあって、年配者の人生いずれにも戦争の爪あとが深く残されている一方、若者は未来に向かって生きている。貧しくも互いに助け合い懸命に生きている人々の姿が、心に沁みてゆく作品である。黒澤作品でおなじみの加東大介や東野英治郎、多々良純などが登場する一方、映画デビュー間もない丹波哲郎や宇津井健の若かりし姿も見る事が出来る。声楽家を目指す青年とその師匠には、実際の音楽家のプロが演じているが、俳優の中に交じってまったく遜色は感じさせない。特筆すべきは、踊り子を演じる津島恵子の美しさ(前年公開された『七人の侍』では農民の娘を演じているが、そのギャップの大きさ!)、そして小杉勇演じる老年画家の味わい深さであろう。
5つ星のうち 5.0
誰もが「たそがれ酒場」にやって来る,
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レビュー対象商品: たそがれ酒場 [DVD] (DVD)
東京のどこかにある大衆酒場「たそがれ酒場」。早朝、酒場のピアニスト、江藤(小野比呂志)の伴奏に合わせ、専属歌手、健一(宮原卓也)の 歌が響き渡っている。そこに、店の主とも言える常連客、梅田先生(小 杉勇)がやって来る。それを皮切りに、いつものように、酒場の慌ただし い一日が始まる…。 内田吐夢監督の戦後第2作目の人生観照ドラマの傑作。舞台を酒場に 限定し(それも1日)、そこを行き交う人間たちの哀歓を描いた実験的作品 だ。酒場を戦後日本の縮図とみなし、あらゆる世代と階層、あらゆる思 想、そしてあらゆる音楽が、ぶつかり、混ざり合い、そこから最後に希望 を示すあたりは、当時、中国から復員して間もなかった内田監督の戦後 日本に対する心情そのものだったのだろう。 入れ替わり立ち替わり現れるベテラン、若手の実力派俳優たちの演技 合戦が楽しく(時には、静かな滋味を持って、時には烈しい熱気を持って)、 映画ファンは興奮しっぱなしだが、その混沌を冷静に、そして鮮やかに 交通整理してみせるあたりは、俳優の扱いには定評のあった内田監督 の手腕あってのことだろう。巨視的でいながら、同時に微視的な内田演 出に唸るばかりだ。舞台劇的にならないように、注意深く、絶妙な構図 やキャメラワークで、映画的な流動美を与えているのもさすが。 本DVDは、フィルムセンター所蔵の35mmプリントからテレシネ、レストア したもの。原版素材の状態が悪い新東宝(=国際放映)作品の中では、 最良の部類に入る画質だ。大きな傷もなく、白黒の諧調もいい。音声も 明瞭。特典には、内田監督の短編教育映画『少年美談 清き心』(25)を 収録。こちらは、プラネット映画資料図書館が所蔵している復元プリント (映写速度18fps)からのテレシネ。白黒の諧調が乏しいが、内田監督作 であり、少年期の水島道太郎主演ということで、実に興味深い一編だ。 何より、今まで、特集上映などでしか触れることが出来なかったこの貴 重な作品を、ごく普通の映画ファンに向けて、惜しげもなく収録してくれ たのが嬉しい。 同梱のブックレットは、木全公彦氏と田中眞澄氏の詳細な解説で、作品 の鑑賞の助けになる。毎度のことだが、紀伊國屋さんの作品の丁寧なパ ッケージ化に脱帽だ。
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
こんな音楽酒場あったらぜひ行きたい,
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レビュー対象商品: たそがれ酒場 [DVD] (DVD)
最初から最後まで居酒屋のセットの中だけで物語が進行する、まるで演劇の舞台のような作品。本作の主役である居酒屋はアルコールも食事も出す大衆酒場なのに、声楽を学んだ専属歌手やピアノの生演奏が付いていて、音楽ファンにとっては居心地良いことこの上なし。さらにストリップまである!というありえない夢の酒場。学生たちの唄う革命歌?「若者よ体を鍛えておけ」に怒った東野英治郎と加東大介が「メーデーの歌」に合わせて、同じメロディーの軍歌「歩兵の本領」を唄うシーン、野添ひとみが唄う「金髪のジェニー」をバックに起こる宇津井健と丹波哲郎の喧嘩、声楽家・宮原卓也が唄うビゼーの「闘牛士の歌」に合わせて踊る小杉勇、チャイコフスキーの「悲愴」をバックに妖艶に舞う津島恵子等々、クラシック・ファンやナツメロ・ファンにお勧めの音楽映画です。
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