50歳を過ぎて「アンパンマン」を産み、90歳の今な現役。老年の☆星「やなせたかし」が書いた最新詩画集。本文がこれほど大きい活字本はあるまい。タテ・ヨコともに1cm6mmだから拡小鏡が要るほど活字が大きくて読みやすい。それに、書かれていることがアッケラカンとして、罪のないたそがれ人の明るいもの言い、つぶやき。そして、このユーモアあふれる言葉づかいに笑いをさそわれる。
「オイル」
老いるとオイルが 不足する 何をするにも ギクシャク ガタピシ 金属疲労の 限界だが 天命つきる その日まで あくせく アクセル 踏みこんで ままよ大たん ひた走る
「晩年」
老年ボケやすく 学ほとんど成らず トンチンカンな人生 終幕の未来も なんだかヤバイ
それでもわらって ま、いいとするか
このアッケラカンとした人生観が多くの人に親しみ、共感をよぶ。「老化峠」のくだり坂もふもとに近づいても「山桜 散るには 惜しい 風情だなあ」という余裕が得られる。じたばたしてもはじまらない。
老いの坂 たそがれ迫る ターミナル (辞世の句ではない)