樋口一葉作品は、この集英社文庫版ではじめて読みました。正直、明治文学を読めるかどうか不安だったのですが、この本はとても優しいです。
まず最初の4ページに、一葉ゆかりの写真や絵が掲載。そして本編の前に梗概がついてる優しさ。漢字にルビがつき、1ページ1ページずつ下方に説明文が書かれています。最初は慣れないかもしれませんが、文章を理解しやすい形態で、私には嬉しかったです。
それに余白の遣い方!
他の出版本では、文字を隙間なくぎっちり詰めているので、台詞も地の文も判別に難しく、正直苦しい印象です。でもこの本では台詞を独立させ、セリフ終了後に余白をもたせた為に、言葉が活きているような感じになっています。
「誰も憂き世に一人と思うて下さるな」
この台詞も、地の文に埋もれる事なく活かされています。文字をぎゅうぎゅうに詰めていたら、私はこの本を読まなかったでしょう。余白の活用に、編集の心理的余裕が、この本を私に読ませるきっかけになりました。
第一印象で《難い》と思ったら、樋口一葉離れしていたでしょうね。
最初の掴みに《名作!》と心に響かせるこの出版物に出会えたのは幸せでした。
私はこの本に、最大級のエールを送ります。