九州佐賀のロータスクラウン賞の決着、そして盛岡ダービーグランプリへ物語は移る。
山本菅助、正木(サトミアマゾン、スピリットの主戦)といった騎手だけではなく、
「ミドリマキバオー時代」を知る我々読者もどうしても文太(ヒノデマキバオー)にあの奇跡の珍馬の姿を重ねてしまう。
しかし、文太は所属も戦歴も脚質も性格も全く彼とは違う馬である。
過酷な境遇を送った事は共通しているが、ちょうど同じ年の頃の彼に比べ、
「勝利を目指す競走馬」として走り始めたばかりの文太の精神面はまだまだ未熟。
(チュウ兵衛という巨人の存在は無視できないが)
大レース慣れしている中央の強豪馬に対しては大きすぎるハンデを背負っている。
そんな文太に懐かしい再会が待っていた。
ミドリマキバオーの残滓としての文太ではなく、ヒノデマキバオーの実像を知る馬こそが、
文太に成長をもたらしてくれる。
ある馬が見せた意外な涙と一連のシーンは、
本作と、傑作「みどりのマキバオー」全編を含んだとしても
五指に入る屈指の名場面だと思います。