ベクトルは異なるかもしれないですが、この序盤の深みと面白さは、
前作「みどりの〜」を凌ぐでしょう。確実に進化を遂げています。
このマキバオーは、少年誌に連載しないで本当に正解だったと
思います。少年誌だと、ライバル同士のバトル漫画的な、背景の浅い
対立構図なんかが必要になってきて、物語に深みが増しませんが、
このマキバオーは、背景描写が凄まじい。競馬に疎い私でも、地方競馬の苦悩、
それをめぐる人々、騎手、調教師の苦悩が手に取るようにわかる。
そして「マキバオー」という名を背負うアイドルホースの、
この漫画特有の苦悩がそれに拍車をかけて、物語は何枚重ねにも膨らんで、
重奏的に語られていく・・。そしてこれらを軽快なテンポでまとめる
つの丸氏の筆捌きといったらない。前作からの進化および深化の真価が
二巻に凝縮されていました。
二巻の最後の、マキバオーの涙が、前作と一線を画す「それ」の、
まさに象徴でしょう。