携帯小説にも色々あるとおもいますが、
もし、携帯小説が文章ではなく漫画であったなら、本書のようになるでしょう。
例えば描写。いたってシンプル。必要最低限。
出来事も、感情すらも、直球で描かれています。
だからこそ、描かれていない何かがあるのではないかと、
思わず登場人物の感情に、思考を巡らせたくなります。
読者に空想の余地を残すような描写は、行間を読ませる携帯小説のようです。
もうひとつ、携帯小説と共通点があるとしたら、話の背景の暗さ。
話の前提にある、主人公ふたりの背景は暗く、重いです。
片や両親の離婚。そして再婚後に待ち受けていた居場所の無い家庭。
片や両親の事故死。そして弟妹との離散。
ですが実際に読んでみると、暗さは和らいで感じられます。
絵が上手くフォローしてくれているからです。
全体的に明るく、白く、ともすれば簡素ですが、この絵が全てを救います。
なので読んでいて、陰鬱になることなく、次のページをめくることができます。
この巻では、主人公の女の子と青年が、
相手をどう考え、意識するかまでが描かれています。
そして次巻からは、青年の弟が登場。期待をさせる終わり方も上手い。
携帯小説が好きではない人でも、
さっと読んで、ふっと気持ちが軽くなるホームドラマを読みたいのなら、是非。