架空の動植物を扱った本には面白いものが多い。この分野ではもう古典と化したレオ・レオーニの平行植物、シュテュンプケの鼻行類。最近ではノーダリニッチ島スギャーマ博士の著作など。けれども、この本のとんでもなさその中でも異色で、ひとつの新たな類型を生み出しそうだ。従来からあった架空学術論文風の体裁をかなぐり捨て、『鼻が長くなる』というただ一点を具現した『ぞうぶつ界』なる発想や、その中での大きさ比較から喧嘩トーナメントまでやってしまう根性はおよそ人間業とは思えない。一種類ぶ見開き二ページ、片側は写真で片側が説明という、最近はやりの生物絵本のスタイルを踏襲しており、親しみやすい本に仕上がっている。加えてCGを駆使したぞうぶつたちの写真の出来が非常によい。何はともあれ、大笑いできる本として推せる。