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そろそろ旅に (講談社文庫)
 
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そろそろ旅に (講談社文庫) [文庫]

松井 今朝子
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

弥次さん、喜多さんコンビが珍道中を繰り広げる江戸時代の大ベストセラー『東海道中膝栗毛』を書いた十返舎一九。
自分の生き方をなかなか決められず、失敗ばかりを繰り返す若き日の一九が、いかにして「ものを書く」道へと進んでゆくか。その道草ばかりの青春時代を生き生きと描き出す傑作長編小説。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

『東海道中膝栗毛』で一世を風靡するのはまだ先のこと。若き日の十返舎一九、与七郎は平穏な暮らしに満たされず、憑かれたように旅を繰り返す。駿府から大坂、そして江戸へ。稀代のユーモア作家が心に抱いた暗闇とは何だったのか。意外な結末が深い感動を呼ぶ、直木賞作家渾身の長編小説。

登録情報

  • 文庫: 576ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/3/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062769026
  • ISBN-13: 978-4062769020
  • 発売日: 2011/3/15
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倭寇
形式:単行本|Amazonが確認した購入
松井今朝子にハズレなし、そのなかでもこの「そろそろ旅に」はとくに味わい深い名作だと思います。
人にもお金にも恵まれた環境にありながらすべてを捨てて旅立ちたくなる主人公の心の深い闇。
一九の秘密は作者のフィクションではあっても、ものを書く人には、おそらくそうした心の闇が深く潜んでいるのだろうと、恐ろしくもなりました。
そして、闇を抱えた孤独な魂が書きあらわしたものが「滑稽な二人旅」であったという設定に唸りました。
だれかに一冊だけ松井今朝子を薦めるとしたら、これにしようと思います。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
漂泊の旅人 2008/7/29
形式:単行本
といえば俳聖松尾芭蕉ですが、この作品の主人公、十返舎一九にも同じようなところを感じます。
素直で思いやりもある。何にでもそれなりの才能を持ち、そつなくこなせるのだけれど長続きしない。飽いてしまうその悪い癖をどうにかしろ!と怒鳴りつけたい。ともに所帯を持つ女たちが可愛く描かれ、反面、一九にそこはかとない憎しみを感じることもありますが、この男をつなぎ止めておくこと自体が「無理なこと」なのかと、やきもきすると同時に清々しく見送ってやりたい、そんな達観した心持ちにさせてくれる男の物語です。新聞紙上に連載されていたものを読んでいて、歌舞伎にとても詳しい作家さんとは知っていましたが、今回は香遊びや人形浄瑠璃など江戸後期の文化も味わえて面白かったです。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:単行本
駿河で同心の家に生まれた与七郎(十返舎一九)が、大阪の材木問屋の養子に入り浄瑠璃作家になり、更に江戸へ出て質屋の養子に入って黄表紙本の作者になり、そこから旅立って「東海道中膝栗毛」を書き、名前をあげるまでの半生を描いています。

何のヴィジョンもなく、ただふらふらと旅立ちたいと思う心が、与七郎には常にあります。作者は、そんな彼の気持ちを「太吉」と言う別人格を登場させて表現します。このもう一人の人物を内に持つことによって、彼の表面的な言葉とは裏腹な本心を表現しているのです。多重人格的なこの表現によって、彼の苦悩が読む側に迫ってきます。

そして、この本心が彼をして「旅の本」を書かせることになります。それが「東海道中膝栗毛」な訳です。
それまでは山東京伝を越えられず、その亜流でしかなかった彼が、その世界から旅立った瞬間です。このとき初めて、十返舎一九が成立したのでしょう。

この独自性を見出してゆく産みの苦しみが、実に楽しく書かれています。そのさらりとした文章で、深刻な心の動きを見事に映し出している作品です。

と同時に、当時の江戸の様子や戯作の世界や、様々なエピソードなど、意外な事実を知ることが出来、楽しく読むことが出来る作品です。
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