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最も参考になったカスタマーレビュー
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
朝はきたのか?,
レビュー対象商品: それでも朝はくる 下 (単行本)
ユーモラスな作品とは裏腹な残酷なまでの結婚生活の実際を描いた森村桂さんの自伝的エッセーの下巻である。心臓発作をきっかけに一念発起して「もうひとつの学校」を創ったものの,それが一つの切っ掛けになり,「彼」によって11年半の結婚生活は幕を閉じる。“りんごの片われ”に捨てられた彼女は,この世に一人残された悲しみをひしひしと感じながら,身も心もボロボロになっていく。苦悩の日々を過ごしたあげく,ゾウのような優しい目を持つM・一郎との出会いにより,朝の空気の爽やかさを久々に思い出すのであった… 本書の表題では,「朝はくる」となっているが,まだ先夫のことが忘れられないままの,余韻をもった終わり方になっているような気がした。「朝よこい」の方が,作者の本当の心持ちを表しているように思えてならない。愛することは辛いことである。 森村さんは,いまわの際に,Mさんに優しく手を握られて逝ったのだろうか?寂しさを感じることなく,天に召されたのであろうか?
5つ星のうち 5.0
さわやかさ,
By みっ - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: それでも朝はくる (下) (中公文庫) (文庫)
離婚して、抜け殻のようになってしまった桂さんは、再び「この男の為に、もう一度、生きよう。」と思うに至る出会いをして、それに至るまでの経緯が、事細かに描写されている。
人は、これほど自分の過去を覚えていられるものであろうか。桂さんは、本当に克明に記憶する記憶力をお持ちのようである。 この類い稀な能力がために、彼女は多くの本を出版し、人生の体験記の本をこれまでたくさん出すことができ、愛読者も多く持てたのである。しかし、その同じ能力のために、家庭の不和から離婚へ至る経験を通し、普通の人以上に、精神を蝕むほどに苦しい時期を経験しなくてはならなかったのではないか。 「あのときの表情は・・・だったのを覚えている」 「声の調子は・・・だったということを、元妻は感じ取っていた」 「もし私があの時・・・していたら、否〜もしていたなら、離婚は避けられたのではないか」 彼女は、何度も何度も、牛が美味しい草を反芻する時のように、胸が苦しくなる辛い経験を自分の胸の中で繰り返さざるを得ない。純粋で、孤独な作者の苦しみが、詳細に記されている。 辛い内容ではあるが、作者の清らかな心が映し出され、読み終えた後はさわやかである。
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