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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
りんごの片われ,
レビュー対象商品: それでも朝はくる 上 (単行本)
私は,結婚は生涯に一度のものだと,信じて疑いもしなかった...この地球のどこかに,私のもうひとつの“りんごの片われ”がいて,私と出逢うのを待っている...という書き出しで始まる,先頃亡くなられた森村桂さんの自伝的エッセーである。「天国にいちばん近い島」を読んで感動し,ジョン・ガンサーのようになるのが夢だと熱く語る九州男児(山下二郎)は,3回目のデートでプロポーズ。誕生日は1年違いの同じ日(クリスマス),性格は「過一致」というふたりは,めでたくゴールインのはずだったが…この上巻では,ふたりの出会いから,結婚,そして間もなく始まる言葉の暴力と物理的な暴力とが赤裸々に綴られる。それでも“りんごの片われ”とは離れられない森村さんの姿が痛々しい。明るい結婚,明るい夫婦生活を描いていた当時の人気作家が,実はDVのため心身共にボロボロになっていたとは驚きであった。 最近は,DV(ドメスティック・バイオレンス)に関しては,法律が整備されて物理的な危険はある程度回避できるようになったようだが,愛する人から暴力を振るわれる「心の痛み」を解消する策は望むべくもない。胸に手を当てて考えてみれば,物理的な暴力はともかく,誰しも「言葉の暴力」を発したことはあるのではないかと思う。この本は,そういった意味で,反省材料を与えてくれるのではないかと思う。余りにも,痛ましい内容ではあるが。 ところで,本書も含め,森村さんの本は,多くが廃刊になっている。是非共,復刊して欲しいものである。
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