諸葛亮孔明没後に蜀は衰退し、魏は司馬懿仲達親子によるクーデター、呉は覇気を失い失速―。
『三国志』はおよそこの辺りの話で幕を閉じ、特に孔明没後の物語は“付け足し”みたいな扱いで早足で紹介されているのみでした。
しかし実はそこからの30年が面白い。魏・呉・蜀が鎬を削って武力戦を繰り返す前期、孔明VS仲達の頭脳戦がメインとなる後期…というスリリングなストーリーとは一風違った世界。人材・兵力のレベルが落ちてしまった事が否めない中で、三国はいかにして生き抜こうとし、どういう末路を辿ったのか。
また後期蜀の豪傑・魏延はいかなる人物だったのか、孔明亡き後の丞尚・蒋碗、費緯の人物像とその政治手腕、“リトル孔明”姜維の奮闘ぶり、魏の司馬懿親子の実像…などなど、三国の末期に登場して来る人物像が克明に描かれている点が、今までの三国志本にはなかった面白さ。これは「絶対に面白い」と言える中身です。作者・内田重久氏に感謝しなければなりません。
…それにしても蜀末期に国の運命を一人双肩に背負い、孤軍奮闘した姜維の生き様には感動したと同時に気の毒でなりません。