1998年に河出書房新社から出た単行本の文庫化。いくらか加筆されている。
著者は、蕎麦の世界のカリスマ的人物。「翁」という蕎麦屋を東京の南長崎で開業、のち山梨の長坂に移転したが、いずれもすさまじい人気を誇った。、いまでは半引退状態にあるようだ。
本書は、著者自身が反省を語ったもの。ふとしたことから蕎麦屋に弟子入りし、やがて店を持つ。やがて蕎麦や人生について考え始め、自分の正しいと思う道へ突き進んでいく。蕎麦粉へのこだわり、手打ちの技、お客さんへの感謝の心。弟子たちへの厳しい態度にも真摯なものがある。
かなり勢いのある熱い文章で、これだけ愛されたら蕎麦も幸せだなと思わされた。
ただ、かなり癖のある人物のようなのと、文章がくどいので、本として読んで面白いかというと、ちょっと・・。
ちなみに「翁」へは、私も長坂時代に食べに行ったことがあるが、なかなかのものであった。