本書の中で「そば屋が領収書を出したがらないわけ」が書かれているのは
わずか2ページと数行!!
しかも、ことさら「そば屋」でなくとも「ラーメン屋」でもいい。
節税と脱税は紙一重である。
売上を過少申告するのは論外としても、会社は何とか経費に認めてもらおうとし、
税務署は「それは会社のために使ったお金――つまり経費ではない」と言う。
このせめぎ合いである。
本書は、涙ぐましいまでにセコく節税しようとするさまざまなケースがあげられ、
どこまでやれば税務署にやられるか、どこらへんまでならセーフなのかが、
元国税調査官の目から語られる。
要するに「その領収書は経費として認められるか」ということである。
その点では、自営業である私としては大いに役立ち情報満載だった。
しかし、いくら何でもこのタイトルはないと思う。
よく全国そば店組合のようなものが抗議しないものだと思う(しているかもしれないが)。
インパクトのあるタイトルを付けることはいい。
しかし、賛否両論、物議をかもし出した「ベンツ」ですら、
「社長のベンツが4ドアである理由」はそれなりにページが割かれている。
売るためには何でもありなのか。
いまさら「出版文化」などと言うつもりはないが、
出版社や編集者には、モノをつくる人間としての最低限のモラルはほしいと思う。
買うに値しない本だとは思わないが、後味の悪い本である。