友人に薦められてモノを買ったり、新しい店に行った経験は誰
にもあるのではないか。インフルエンサーとは、「消費者に影響を
与える存在」であり、ブロガー1000万人時代を迎えて、そのパワ
ーが急速に増大している。米国には、最大30万人に影響を及ぼす
クチコミネットワークが存在する。つまり、1人から発信された
情報が最終的に30万人、あるいはそれ以上の人々を動かすことが
ある。
本書は、インフルエンサーという存在、そしてそのインフルエ
ンサーと連携して企業のマーケティングや販促活動を展開すると
いう、新たな発想にもとづく方法論――「インフルエンサー・マ
ーケティング」について体系的に紹介する、初めての書籍である。
P&G、ニンテンドーDSソフト、フィリップスなど豊富な事例を
通じて、インフルエンサーの探し方、具体的なアクションプラン
の作り方から効果の測定法まで具体的に指南する。
まず、序章では、そもそもなぜ今「インフルエンサー・マーケ
ティング」の手法が重要視されているのか、その背景を解説する
とともに、P&Gのおむつの成功例を紹介する。そのうえで、イ
ンフルエンサー・マーケティングを実践する上で重要なポイントと
なる、「3つのインフルエンサー」、「関心テーマ」という考え
方について触れる。
そして第1章では、より詳しく、「3つのインフルエンサー」が
持つ影響力とその活用の具体的な方法論、そしてそれぞれの異な
るインフルエンサーの間にどうやってシナジーを起こし、全体の
影響力をパワーアップするのかについても説明する。
第2章では、インフルエンサーを巻き込む際の3つのポイント
と、インフルエンサーを味方につける秘密兵器ともいえる考え方、
「関心テーマ」とその構築メソッドについて、ニンテンドーDSソ
フトなどを例示しながら紹介する。
続く第3章では、具体的な実践のステップを追ったあとで、
そもそも「インフルエンサー・マーケティングの実施が何をねら
うべきものなのか?」を、「4つのねらい」という視点で解き
明かす。ここでは、この手法の立体的な全体構造と、その高い
戦略性について、フィリップスの事例などを通じて理解を深め
ていただきたい。
そして第4章では、より実際の現場レベルでの課題として、
「マーケティング全体の中での役割」「効果測定」「倫理の問題」
の3つに整理して解説する。
最後に終章では、インフルエンサー・マーケティングのこれ
からについて、今後の展開を予測する。
インフルエンサー・マーケティングの体系化とは、従来からの
主にマスメディアを活用したPR活動に始まり、企業と外部の
専門家が協業するプロジェクト、そして最近のブロガーとのコ
ラボレーションによるPRなどの戦略PRの手法を統合し、こ
れを実行力のある現実的な手法として確立することなのである。