「道」とならぶ、アンソニー・クイーンの代表作であり、大好きな映画だ。もう40年近くたつのではなかろうか。英国から頼りない青年作家がギリシャにやってくる。たしかクレタ島だったと思うが、そこで何か事業をと考えているが、偶然、知りあった男、ゾルバをアシスタントとして傭う。こうして、二人の不思議な日々が始まる。ギリシャがいまよりもっと貧しい時代の話。酒飲みで、女好きなゾルバだが、明るく、憎めない性格。それに対して真面目でおとなしい青年作家。不思議と馬が合う。このコンビに島で暮らす老いた淑女が加わり、物語は展開する。ヨーロッパの田舎の土の臭いがするような映画で、ギリシャ音楽と相まって、魅力的な情緒を醸し出している。どんな事業を始めるか。ゾルバが考えた事業はアイデアとしてはなかなか面白いのだが、一瞬にして崩壊してしまう。青年作家は金を使い果たし、事業の夢は無残な結果となる。しかし、ここからが愉快になる。本来なら深刻な状態なのに、二人はあまりにも無残な結果に笑い転げる。事業が終われば青年作家は英国へ帰る、ゾルバともお別れだ。そこで青年作家はゾルバにギリシャ・ダンスを教えて欲しいという。海辺で男二人がギリシャダンスを踊る。このシーンが素晴らしい。アンソニー・クイーンが男の色気を発散しながら、ギリシャ独特の哀感ある音楽に合わせ踊るラストシーンは何度見ても感動する。アンソニー・クイーンははまり役で、いま見てもまったく色褪せない名作と思う。