(1)どんな本か
著者は、NPO法人遺言相続サポートセンター副理事長。多くの遺言作成や相続をサポートしてきた経験をもとに、本書を著している。
・ 遺言書があると、相続手続が簡単になる(たとえば、銀行預金の場合、遺言書がないと、引き出すには相続人全員の同意書や遺産分割協議書が必要。一方、「妻に○○銀行の預金をすべて相続させる」という遺言書があれば、妻はその遺言書を銀行に持参するだけで済む。)
・ 遺言書がないと、相続争いが生じる可能性が高くなる(たとえば、子供のいない夫婦の夫が死んだ場合、夫の親がすでに死んでいると、兄弟にも相続権がある。遺言書がないと、残された妻は相続財産の4分の1を渡さなければならない。)
などなど、多くの事例を解説している。
また、遺言書は死ぬことに備えるものであるのに対して、寝たきりやボケなどに備えて「財産管理の委任契約書」「任意後見契約書」「尊厳死の宣言書」の「生前3点セット」も必要であると説明している。
(2)読む価値があるか
「生命保険だけではダメ。遺言書と生命保険の両方が必要」、「財産が少なくても、相続の大変さに変わりはない」などの、著者の主張には説得力がある。とても参考になる本であり、ある程度以上の年齢の人は、財産の多寡にかかわらずぜひ読むべき本と思う。