今までにはなかった、切り口が違うまったく新しいタイプの著書です。患者さんご自身がこの本を読まれることは、勿論価値があるとは思います。しかしそれ以上に企業の管理職の方や教育に携わっていらっしゃる方が読まれるほうが、この本ならではの本当の価値があると思いました。この著書では科学的な記述以外にも、生々しい患者さんの悲痛な叫びが聞こえてきます。その共通の叫びとは、周囲の方々に理解してもらえないばかりか、誤解をされてしまうという、辛さ極まりない苦しさです。場合によっては身近な周囲の方から罵声を浴びせかけられるという現実を知り、とても切なくなりました。この著書に収録されているうつ病などは、ストレス社会がつくりだした代表的な心の病です。もし不幸にして部下の方がそのような兆候をみせた場合、または陥ってしまった場合、その方をどうみてあげれるか、またその後その方をどのように企業に貢献させてあげれるか・・ これからは大事なことだと思います。うつ病に陥る方は往々にして、企業に対するそれまでの貢献度が高い傾向があると言われているからです。また教育現場でも『引きこもり』などの様々な問題があります。この著書に書かれていることは、そういった問題にもつながっているような気がします。またこれから社会の一員になっていく子供さんにも、こういった事情を持ち合わせている患者さんがいらっしゃるということを教えて上げることも、大事な教育だと思います。私がこの著書の評価を『星4つ』としたのは、著者が流通・分類についての認識が、失礼ながら甘かったのではと思える点です。本の内容だけが評価の対象なら『星5つ』です。