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24 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
同時期2冊発売でも、タイトル通り棲み分けられています,
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レビュー対象商品: その「正義」があぶない。 (単行本(ソフトカバー))
なるほど、こういう棲み分けかぁ、本当にタイトル通りなんだ...技術評論社から先に出た「地雷を踏む勇気」と比較しての最初の感想です。同じコンテンツをほぼ同時期に編集しているのだから、双子のようにそっくりであってもおかしくないのですが、そうでもない。 技評版は、震災は別として、テーマ自体はマスコミで大きく騒がれたものより、ネットでの評判や個人的にひっかかったニュースが中心。わざわざ話題にしなくてもいいかもしれないけれど、敢えて書いて地雷を踏みにゆく。 対する本書は新聞・TVをにぎわせた大きなニュースをとりあげたものが中心。誰でも簡単に正論を吐いてきちんと答えを出した気になってしまう問題に対してそれはどうかと疑問を投げている。 どちらがいい、というのも変な話だけれど、読者を簡単に説得してしまうのは本書のほうでしょう。硬直した正義に異をとなえる姿勢に快哉を上げる人でなければ、そもそもこれらコラムに興味を持たないだろうし。 反面、簡単に人を説得してしまえる、というのは、それ自体が別の正義になりうる危険性もあると思います。「ちょっと違うんじゃないの?」くらいのほうが、コラムの読み手としては健全な気がするし、時事ネタであっても息が長く読めるのではないかと。 その意味で、再読する気になるのはたぶん技評版のほうです。 ただ、同じ連載がなんの悪意も改ざんも経ずに編集によって2冊の本になりうるというのは興味深いことでもあり、両方読んでおくべきでしょう。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
地に足の着いた論点::日経ビジネスオンラインで掲載中に読んでいた人にもおすすめ,
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レビュー対象商品: その「正義」があぶない。 (単行本(ソフトカバー))
日経ビジネスオンラインで掲載されていたときにも読んでいたが、単行本にまとまったということで同時期に出た「地雷を踏む勇気 ~人生のとるにたらない警句」と一緒に買って読んだ。画面上で読むのではなく、こうしてあらためてまとめて単行本で読むと著者の地に足の着いた論点がよくわかる。地に足の着いていない論点には、「正義」がつきまとう。地に足をつけていなければ、どのような正義も語れるからだ。高校生の喫煙が減少したのは、喫煙がカッコ悪くなったからだ、と筆者は言う。そして、法令の遵守は罰則による威圧や社会的な強制よりも美意識によって達成されるべきだ、と説き、相撲の八百長問題に切り込む。上から目線で八百長はだめだ、と言っても確かに問題は解決しないだろう。八百長はカッコ悪い、と思うことこそが鍵かもしれない。 一方で、暴力団は社会の必要悪、という訳知りの言い方には徹底的に反論する。島田紳助をめぐる話の中で、「闇社会にしか解決できないトラブルがある」という言い方は「市民は暴力に屈するべきだ」と言っているのと同じである、という。これこそ、地に足の着いた「正義」論であると思う。
13 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
同時代コラムの秀作,
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レビュー対象商品: その「正義」があぶない。 (単行本(ソフトカバー))
メディアが声高に唱える、または唱えざるをえない「正義」を疑い、揶揄し、難じる評論やコラムは大抵が面白い。本書はそんな中でも特に、この21世紀初頭という「時代の空気」をうまく取り込み、解析し、苦笑いを込めてどこかに着地させていくという手際において、光っていると思う。評者は著者とほぼ同世代で、日経ビジネスオンラインで毎週、更新されている「ア・ピース・オブ・警句」も月1回ほどのペースでまとめ読みして楽しんでいる。だから、内田樹さんのブログをまとめた単行本でブログ評論を「二度読み」する折の「既読感」と同様、二度読みとなるがゆえのインパクトの減衰は、本書の通読中も付いて回った(☆四つにしたのはそのため)。しかも、著者は単行本化の際、どうやら加筆も補強もしておられないようで、既読感は当然といえば当然。しかし、それらを承知で単行本に手を出したのは、オンラインでの最初のインパクトを一過性のものにしてしまうのは惜しい、と考えたためだった。 全編にみられる構成の妙、言葉の使い方のうまさ(特に間の取り方と外し方)、架空なのか実際なのかよく分からない友人たちとの軽妙な掛け合いの再現、ほぼ同世代なればこそ体感できる(あるいは笑える)諸種の「当時」のアイテム。どこをとっても推奨に値する単行本だ、と思う。オンライン上の「初出原稿」を知らない方にとっては、なおのこと。
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