私は、数十年前に、「そして誰もいなくなった」を日本語文庫で
一読していますが、ルビがあるとはいえ、こうして原文で手に取って読めるのは、ありがたいことだと
感じています。
ルビなしのペーパーバックの「そして誰もいなくなった」も
時折、書店で見かけますが、英文のみに
(辞書を引きながらだと、ものすごい時間がかかりそうと)不安を感じ、
購入する勇気がありませんでした。
脇道にそれますが、本書は、短い前書きがありますが、訳者などによる
「あとがき」はありません。いわゆる、奥付(おくづけ)の前のページが
本文の最後です。そして、本文の最後の一行(一番下)に犯人の名前が、
一段下げて、書いてありますので、未読の方は、ご注意ください。
私は、前半を読んでいる最中に、無意識にメージをめくってしまい、
何やら署名らしきものが突出していたので、つい見てしまいました。
「これは犯人の名前かもしれない…」と思いながら読み進むうちに、
以前に見たモノクロ映画(「そして誰もいなくなった」)の記憶が徐々によみがえりました。
ともあれ、本書は、
英単語のみならず、熟語や意味のとりにくい英文表現にルビがふってあり、
文章がむつかしくないこともあって、辞書なしで、ストレスなしに、
考え込むことなく、すらすら読めます。
(逆に言うと、馴染みのない単語の意味を文脈に当てはめながらあれこれ推測する楽しみはありません)
また、代名詞が何を指すかもルビで書いてあり、かゆいところに手が届くような
配慮がなされています。
(この一文の意味は何だろう?と思案するような部分には決まってルビがあります)
また、長編ですから、ある程度、飛ばし読みしても、ストーリーの流れを
見失うことはありません。
ルビーブックスで出ている、
ブラウン神父やSherlock Holmesものより、ずっと読みやすいです。
英語に堪能な方には本書は不要ですが、
英語で読みたいけれど、ペーパーバックで読み通しのは自信がないという方に、
おすすめの一冊です。