祝、日本映画批評家大賞受賞!といっても、審査員長ならびに審査員はアノ人じゃないっすか。。。
みうらじゅんなんだから、それも「映画秘宝」誌の連載コラム(全63回分)なんだから、当然普通の映画評なわけありません。配給元とタイアップしているかのような話題作やヒット作が中心のものを期待しているなら、ドン引きすること間違いなし。彼が言うように、映画好きには2種類あることを、肝に銘じておくべきでしょう。
彼のアイデン&ティティとなっているのは、怪獣映画、ブルース・リーもの、ロマンポルノなどであり、これらの時代背景を共有できる読者であれば、もちろん面白く読めるでしょう。
しかし、十分に共感しながら楽しめる読者層というのは、それこそ70〜80年代に多感なキープオンDT期を過ごしたジージャンズに限られるかもしれません。(そこがいいんじゃない!)
彼は誰よりも先に突っ込みどころの多そうな映画を鑑賞し、観客が少なければ少ないほどマゾ的な喜びを感じ、欠かさずパンフレットや関連グッズを購入して、それらを面白おかしく酒の肴にして元を取ろうとしているとも言えます。
しかし実は、映画をあらかじめ厳選することなく、たまたま空いた時間が上映時間に合っていたという理由だけで期待もせず映画館に入り、そのくせ登場人物に完全没入しています。映画館を「自分無くしの道場」と呼び、どんなジャンルでも分け隔てせず鑑賞し、ズクズク泣くほど感動するのです。
これこそ映画に対する無償の愛と呼べるのではないでしょうか。
かつて澁澤龍彦(通称・シブタツ)が「スクリーンの夢魔」で展開した映画の怪奇幻想とエロティシズムは、時代が移って今やバカとエロに堕落したとさえ言えるかもしれませんが、それでもそのありのままの映画を愛し続けるということが示されている気がします。なんてねね。
50年に及ぶゴジラの怪獣生(人生)を要約してみせたのも見事です。