私は今までアメリカに関する本をいろいろと読みましたが、
アメリカについての入門書は本書がベストだと思います。
筆者の池上彰さんは、アメリカに対しては大変厳しい目を持っており、
特にアメリカの単独行動主義に対してはきっぱりと批判しています。
アメリカ大統領が聖書を手を置き就任宣誓をする。
アメリカ人は法廷で神に誓って真実を述べると宣誓する。
アメリカでは幾多の場面で神=宗教が出てきます。
また宗教=キリスト教ではないというのが、
多民族国家であるアメリカの一面でもあるそうです。
アメリカがなぜ宗教国であるかが、
建国以来の歴史から詳しく書かれています。
そして本書のベスト章は「アメリカは差別と戦ってきた」です。
キング牧師、マルコムX。世界中にその名が轟いている二人。
その人種差別から戦ってきた不世出の黒人指導者のことがらも、
彼らの時代を追って丁寧に書かれています。
本書では白人のすさまじい人種差別に対する
黒人たちの抵抗運動から奴隷解放、人種差別撤廃への戦いと運動が
とてもわかりやすく、そして順を追って詳しく書かれています。
この章を読むとアメリカの人種差別問題は、
ほとんど人種差別経験のない日本人の私などは、
とてもわからない複雑で痛いことがらでした。
この章だけ読むだけでも本書は5つ星かと思います。
最後に一つだけ残念なのは、
本書全体を通してアメリカの経済、金融、メディアそして政治など、
その影響力が絶大なユダヤ系金融資本に関しては、
ほとんど何も書かれていません。まったく抜け落ちています。
しかしながら、これはどうがんばっても池上氏も書けない、
表部門の報道関係者にとってはタブーのことがらなのかもしれませんね…
章によっては少々物足りないところもありますが、
アメリカについて、関心のある方にお勧めします!
とてもわかりやすいので、中学生や高校生にもお勧めです。