東レで取締役、現在は子会社の社長まで務めている著者がなぜ課長のマネジメント術にこだわったのか?多少の呼称こそ違え、社会人生活の中では長い期間を課長として過ごすと思います。課長は、部下の具体的実務を掌握しながら、上司との間に立ち中間管理職としての行動と振る舞いが必要とされる。この課長時代が、部下と人間的な強い「絆」をつくり、自身も大きく成長できる期間であったと感じられているようです。部下への責任と温かみが溢れていますが、部下との距離感や厳しさは、著者の経験を通じたノウハウであり一言一言に重みが感じられます。
著者の課長の時代に、家族の病気との苦労があったことにも触れております。仕事術であれば、家庭面の話は不要に感じるかもしれませんが、仕事と家庭のはざまで格闘した体験が語られていてこそ、仕事への覚悟や一見簡単そうなノウハウが心に刺さります。仕事の誇り、仕事の支えがあったからこそ、家庭にも尽くすことが出来たと言っております。
前著「部下を定時で帰す仕事術」もお薦めです。重なる内容も多く、「そうか、君は〜」よりも具体的仕事術が多数紹介されているということで、本書は星1つ減らしました。
最後にタイトルが秀逸ですね。城山三郎の小説を思い起こさせます。